静岡市議会 > 2020-02-05 >
令和2年2月定例会(第5日目) 本文
令和2年2月定例会(第5日目) 名簿

  • "西側"(/)
ツイート シェア
  1. 静岡市議会 2020-02-05
    令和2年2月定例会(第5日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(遠藤裕孝君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(遠藤裕孝君) 本日の議事日程は、昨日配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第30号 令和2年度静岡市一    般会計予算 外80件(総括質問) 3 ◯議長(遠藤裕孝君) 日程第1、議案第30号令和2年度静岡市一般会計予算から日程第81、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き総括質問を行います。  順次発言を許します。  山梨 渉君。   〔14番山梨 渉君登壇〕 4 ◯14番(山梨 渉君) おはようございます。  公明党静岡市議会を代表いたしまして、市政運営と公明党静岡市議会年度予算要望、そして、青年の声を政策に反映すべく、公明党県青年局が市内で開催したユーストークミーティングでの声を基に、通告に従い順次質問をいたします。  初めに、大項目1、施政方針についてです。  公明党静岡市議会は、昨年11月、田辺市長に新年度予算要望を行いました。予算要望には、中長期的な課題への取組として3つの視点を込めました。  1点目に、甚大化する自然災害に対し、防災・減災を政治の主流に据え置き、対策をさらに進めること。  2点目に、全世代型社会保障の本格展開に呼応し、新たに加えられた子育て支援への効果の最大化を図り、少子化、人口減少に対応する施策をさらに進めること。  3点目に、人口減少時代の中、Society5.0を見据えた新たな成長を生み出す地域経済、まちづくりを築いていくことであります。  加えて、本年は56年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。世界が日本を注目する本年、国際社会の中で本市はSDGsハブ都市としての責務を果たしていくべく、新たな挑戦をスタートするときが来ていると考えます。
     市長は、施政方針演説でSDGsの取組を強調するとともに、市民の安心・安全の確保と地域経済の活性化との両立を図っていくと語られましたが、公明党予算要望を踏まえて、市長は新年度どのような市政運営をしていくのか、伺います。  次に、大項目2、持続可能な経営基盤の確立。  初めに、中期財政見通しについてです。  令和2年度当初予算では、歳入は、市税、個人市民税は納税義務者が増加するものの、1人当たりの給与所得額が減少、法人市民税は法人収益の減少を見込んでおり、一般財源総額の大幅な増加は見込みにくいとのこと。また、歳出は、人件費や扶助費、繰出金が増加したとのことであります。  さて、財政の中期見通しにおいては、令和2年度当初予算をベースにし、将来4年間の財政の見通しを試算しております。令和2年度は約50億円の財源不足に対して、令和3年度以降、毎年70億円以上の財源不足の発生が見込まれております。財政の中期見通しにおける財源不足の要因と今後の対応策について伺います。  次に、総合戦略についてです。  2015年10月に静岡市総合戦略を策定、第1期戦略では基本的な考え方として地域の持続的な発展のため、総合計画に掲げる2025年に総人口70万人の維持を目指すとし、5年間の人口の社会移動増の累計6,010人を基本目標に定めましたが、結果的には2,051人の減となり、KPIでD評価としております。目標達成はなりませんでしたが、静岡市が人口減少時代の中にあっても未来を見据え、持続可能な都市を構築していくためにも、これからの総合戦略が重要であります。  このたび、これまでの総合戦略を見直し、新たに人口活力の維持及び持続可能なまちの実現を目標に掲げた第2期総合戦略が策定されます。より現実的に、人口活力との表現になったと感じますが、この表現が具体的に何を示すのか。持続可能な都市経営をするために、果たして補える内容となっているのか。第2期総合戦略で目標に掲げる人口活力についての考え方は何か、伺います。  次に、SDGsについてです。  SDGsは自分の生活に関係のある自分ごとであります。そして、一人の人間における小さな行動の変化が全人類の課題の解決を可能にする。それがSDGsの考え方であります。グローバルな価値をローカルな政策に結びつけようと、本市はこれまで普及啓発や市政への組み込みなど、SDGsを強力に推進してきました。市内企業や学校等でSDGsの取組が見られるなど、その輪は着実に広がっており、他自治体の模範となる、これまでの取組を評価したいと思います。国内のみならず国際的にもSDGs推進の機運が高まっており、国際規範の1つとして定着しつつあります。昨年の国連首脳級会合においては、取組に一定の前進が見られると評価された一方で、進捗の遅れや偏りも指摘されております。  いよいよ2020年代が始まり、2030年を見据えた行動の10年、日本がSDGsの力強い担い手として国際社会の中で、どうリードできるかが試されております。そして、アジア唯一のSDGsハブ都市静岡市の具体的な取組が問われます。啓発から行動へ、新しいフェーズに移行するときであり、本市が埋没することなく世界に輝きを示していくならば、特定のターゲットにおいて集中した取組を進めることも重要であると考えます。例えば、日本においては女性活躍など、ジェンダー平等の実現や気候変動対策が喫緊の課題であると言われます。また、本市らしい海の豊かさを守る取組や持続可能な社会のつくり手を育てる学校教育での取組も期待されます。また、学術研究の成果を生かし、オール静岡での取組を加速するためにも、市内の大学等との連携も今後さらに必要になると考えます。  質問は3点。  1点目に、今年度のSDGsの取組の評価と令和2年度の取組はどうか。  2点目に、ターゲットを絞り込んだ事業展開が必要であると考えるがどうか。  3点目に、大学等の教育機関との連携・協働をどう考えるのか、伺います。  次に、職員の確保・育成についてです。  平成27年に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が施行されました。女性活躍が叫ばれている中、本市においても女性職員の占める割合が年々増加し、特に20代、30代の一般行政職の女性職員の増加が顕著になっております。平成31年3月に改定された静岡市新人材育成ビジョンでは、女性職員についての取組として、今後の組織の中核を担う女性職員の育成が掲げられておりますが、女性職員の育成についてどのように取り組んでいくのか、伺います。  現在、市の行政運営の重要な担い手となっている臨時、非常勤職員は、地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、令和2年4月から会計年度任用職員に移行し、一般職として地方公務員法が適用されます。学校、こども園にも多くの会計年度任用職員がおり、今後さらなる活躍が期待されるところであります。一方、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務などの服務に関する規定が適用され、懲戒処分等の対象となるとされており、今まで以上にコンプライアンスの意識を高める必要があると考えます。会計年度任用職員の育成について、どのように取り組んでいくのか、伺います。  30歳代半ばから40歳代半ばのいわゆる就職氷河期世代で非正規雇用として働く人は、全国で約371万人いるとされます。政府は、就職氷河期世代への就労支援を重点課題として打ち出し、就労支援の本格化を進めております。こうした中、就職氷河期世代の就労を後押しするため、各自治体で地方公務員の中途採用を強化する動きが見られます。本市は、就職氷河期世代の採用についてどのように考えているのか、伺います。  次に、大項目3、防災・減災先進都市の構築について。  初めに、災害対策についてです。  昨年5月、国の南海トラフ地震防災対策推進基本計画が変更され、特に南海トラフ地震臨時情報が発表された場合、一部地域には1週間の事前避難が促されることとなりました。これは、巨大地震につながるおそれのある異常現象を捉えたとき、例えば、いわゆる半割れと言われる震源域の西側半分で大地震が起き、静岡県を含む東側地域で後発地震の可能性が高まったケースなどの際、事前避難対応を取ることが重要であるからです。この2月には、静岡県から事前避難に関するガイドラインが発表されたとのことですが、静岡市では南海トラフ地震臨時情報が発表されたとき、どのような対応を取るのか、伺います。  昨年12月、田辺市長と公明党静岡市議会赤羽国土交通大臣へ直接要望書を提出いたしました。要望内容は、社会基盤整備とともに、このたびの台風19号をはじめ、多発、激甚化する豪雨に対し、安倍川をはじめとした市内河川の水害対策に関して強く要望したところであります。一方、国の防災対策に呼応し、本市としても着実に治水対策を進めております。近年、多発、激甚化する豪雨に対し、どのような治水対策を考えているのか、伺います。  次に、空き家等の対策についてです。  平成30年総務省が実施した住宅・土地統計調査の結果では、空き家数、率ともに過去最高という報道がありました。個人財産である住宅や家屋が本来の役割を全うすることなく放置され、管理されないために劣化が進み、その結果、周囲に深刻な影響を及ぼす状態となる空き家の問題は、昨今の風水害の状況を見ると、防災・減災の観点からも、より一層の取組への強化が必要であります。本市では、平成30年3月に策定した静岡市空家等対策計画により、具体的な取組が始まりました。早速、平成30年度には、周囲に深刻な状況を及ぼしかねない特定空き家について17軒を認定、また、市内の管理不全の空き家の状況を把握するため、自治会町内会の御協力をいただき、情報収集を実施したところであります。  そこで、1点目として、現在の空き家調査の進捗状況はどのようか。  2点目に、特定空き家のその後の対応状況を伺います。  次に、大項目4、活力ある地域経済の推進。  初めに、企業支援についてです。  第3次総合計画において、企業誘致と留置の数値目標を立地件数、年間17件としております。実際の企業立地件数は総合計画前期では目標を上回っており、着実に推進されているところですが、企業立地の成果は立地件数だけでなく設備投資や雇用、売上げなどを含めて評価していくべきものであると考えます。  国においては、地域未来投資促進法により、企業立地の促進や地域の経済活動を牽引する事業支援を推進し、本市においても地域基本計画を策定し、取り組んでいるところであります。地域未来投資促進法に基づく静岡市地域基本計画を新たに立地する企業の支援にどのように活用をしているのか。また、どのような効果が出ているのか、伺います。  Society5.0で実現する社会は、IoTで全ての人と物がつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出し、社会のイノベーションを通じて経済発展と社会的課題の解決を両立すると言われております。こうした時代を前にして、市内の中小企業に対しても技術革新に対応できるような取組が、今後より求められていくでしょう。  一方、令和5年10月にはインボイス制度の導入が控えており、取引先や顧客に対し、正確な適用税率や消費税額等を伝達していく必要がありますが、経営資源の乏しい中小企業や小規模企業においては社会情勢の変化に対応していくことはおろか、IT技術の導入も進んでいない状況がうかがえ、対策は急務であると考えます。中小企業のIT導入に向けた現状の取組と今後について、どのように考えているのか、伺います。  次に、農業支援についてです。  平成30年3月、本市のワサビ栽培が世界農業遺産に認定されました。これは、生産者の尽力のたまものであり、本市にとっても誇りであります。この機会を生かし、本市の地域資源であるワサビを、より多くの人に知ってもらい、また、多くの人に本市を訪れてもらい、活力ある地域経済の振興につなげる支援が必要であると考えます。そのためにプロモーションをしっかりやっていく必要がありますが、世界農業遺産に認定されたワサビのプロモーションについて、これまでどのような取組を行ってきたか。また、今後どのように取り組むのか、伺います。  次に、海洋文化都市の実現についてです。  新興津地区における人工海浜等の整備が目に見える形で前進し、市が整備する海づり公園においても平成29年度より整備が始まり、地元興津地区住民ばかりでなく、多くの市民がその完成を心待ちにしております。海洋レクリエーション拠点は、地域の回遊性の向上や市内各観光地への回遊など、地域の活性化に大変期待するところであります。また、アクセス面で国1バイパス、JR興津駅もあることから、清水港、静岡市にとって重要な交流拠点となり得るポテンシャルの高さを有しています。旧海づり公園でも、市内外から年間2万人の利用者がありました。新施設は人工海浜や物販施設との相乗効果も期待されることから、利用者増加へ大きな期待があり、大きな可能性を秘めております。興津人工海浜、海づり公園の整備について現在の進捗状況と、今後どのような整備がされていくのか、伺います。  さて、来年度、いよいよ中部横断自動車道は山梨県双葉ジャンクションまで全線開通されます。中央道と東名、新東名が中部横断道を介して結ばれ、令和5年度には新東名が圏央道まで接続。甲信エリアや関東エリアのアクセスが飛躍的に向上することで清水港にとって非常に大きな効果が期待されるところであります。加えて、新興津地区にあるコンテナターミナル内には民間企業の物流倉庫がこのたび新たに建設されたことや、国内最大級の23列船対応のガントリークレーンの設置が予定されるなど、物流機能の強化が進み、清水港の利便性はますます向上されると期待されます。インフラ整備や物流機能の強化など、清水港の利便性が向上する中、コンテナ貨物の清水港の利用促進に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、まちは劇場の推進についてです。  本市では、大道芸をはじめとする文化、芸術を誰もが日常的に気軽に楽しめる仕掛けや空間、機会をつくることで、まち全体の魅力を高め、シビックプライドの醸成とともに、多くの人に行ってみたいまちとして選ばれることで、交流人口の増加と地域経済の活性化を図ることを目指しております。  さて、本市に深い関わりのある朝鮮通信使は、ユネスコ世界の記憶にも登録され、その価値は世界レベルとなりました。本市では、朝鮮通信使再現行列が、まちなかでにぎやかに開催されるなど、まちは劇場を盛り上げております。また、本市の朝鮮通信使事業は、韓国釜山市との交流を毎年深め、昨年は両国の関係が冷え込み、全国各地の交流事業が中止される中にあっても、本市の事業は実施され、その信頼関係は揺らぐことなく、新たな交流に発展も見せております。朝鮮通信使を契機とした韓国釜山市との交流について、今後の展開をどのように考えているのか、伺います。  本年は、国内の都市との文化交流ともいえる、全国から地域伝統芸能が一堂に会して競演する地域伝統芸能全国大会、静岡大会が11月に開催される予定となっております。地域に残る伝統芸能は、まちは劇場の推進にとっても大変重要であると考えております。地域伝統芸能全国大会、静岡大会の内容と意義、その目指す成果はどのようか、伺います。  次に、大項目5、安心・安全な市民生活について。  初めに、新型コロナウイルスについてです。  中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、日本国内でも各地で感染が拡大、先週金曜日には県内初となる静岡市民の陽性確認がされ、市民に衝撃が走りました。本日から学校が休校になるなど、既に市民生活、経済活動など、非常に大きな影響を及ぼしており、市民に正確で的確な情報を素早く提供するとともに、徹底した感染拡大防止対策を進め、事態の早期収束に向けて一致団結して取り組まねばなりません。日々刻々と状況が変化している中、市民の健康と生活を守るため、本市においても、さらなる対応、取組が必要であります。  質問は2点です。  1点目に、新型コロナウイルスによる感染が進んでいるが、本市はどのような体制で取り組んでいるのか。  2点目に、市民への情報提供や医療機関との連携について、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、道路整備についてです。  安心・安全に住み続けられるまちづくりを進めるためには、市民にとって道路整備は大変重要です。設置に向けて検討が進む中部横断自動車道、仮称両河内スマートインターチェンジは地域振興のみならず、住民の日常生活や防災面、救急医療の面からも早期開通に向け、大きな期待が寄せられております。また、昨年9月に開通した日本平久能山スマートインターチェンジは観光、産業面でも効果が発揮され、重要な南北軸となる山脇大谷線の整備をはじめとする道路整備が進めば、さらなる効果が期待されます。日本平久能山スマートインターチェンジアクセス道路整備と仮称両河内スマートインターチェンジの取組について伺います。  次に、交通政策についてです。  住み続けられるまちづくりを実現するには、移動に困らないということは大変重要な要素であります。高齢化が進み、移動手段を持てない人が今後も増大し、公共交通への期待が高まる一方で、公共交通の運転士不足によるサービス低下が進行していく状況が顕著となっております。こうした中、本市は交通事業者等と連携し、MaaSによる移動サービスの改善を図る取組を進めています。この取組による利用者の利便性向上、地域経済の好循環や生産性向上、にぎわいのあるまちづくりなど、大きなイノベーションを生み出す可能性が期待されます。  そこで、お伺いします。  本市では、今年度MaaS導入に向けた取組の第一歩として、AI相乗りタクシーの実証実験を行いました。この実証実験を踏まえ、令和2年度はMaaS導入に向けてどのような取組を進めていくのか、伺います。  次に、環境政策についてです。  現在、世界共通の喫緊の課題として、特に気候変動が挙げられます。気候変動の影響は単に気温上昇だけでなく、自然生態系や海面上昇、災害の激甚化など、様々な分野に波及します。また、世界的な潮流として脱炭素社会の実現に向け、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明する自治体が増加しております。2月20日には、今国会中に衆参両院で気候非常事態宣言の決議を目指す超党派議員連盟が発足したところであります。SDGs未来都市ハブ都市である静岡市こそ、2050年二酸化炭素排出実質ゼロを表明すべきではないかと考えますが、見解を伺います。  平成29年7月、8月にアカカミアリ、ヒアリが清水港で発見されて以降、昨年も9月に発見され、近隣住民の中には不安を抱える方が多くおります。幸い発見後、直ちに防除され、周辺地域への拡散を防ぐことができたとのことでありましたが、生活圏域にはほかにもセアカゴケグモやカミツキガメなどといった特定外来生物の発見例があります。こうした特定外来生物に対し、適正管理を本市はどのように取り組んでいるのか。また、生物多様性地域戦略が来年度に期間満了を迎えますが、次期生物多様性地域戦略では、生物多様性の保全に向けてどのような取組を推進しようとしているのか、伺います。  次に、区役所機能の強化についてです。  本市は、おくやみ窓口や職員コンシェルジュなど、来庁者が安心して利用できるように窓口サービス向上の取組を積極的に行い、市民からも高い評価を得ています。一方、仕事の関係で平日どうしても来庁できない市民からは、窓口業務の休日開庁を求める声は多くあり、特にパスポート申請や交付手続に対する声が多く聞かれます。本市は、昨年からパスポートの交付窓口の休日開庁が始まりましたが、他市町に比べると、さらなる拡充が求められます。パスポート窓口の休日開庁の状況はどうか、また、今後の拡充についてどのように考えているのか、伺います。  次に、消費者行政についてです。  成年年齢は令和4年4月、18歳に引き下げられます。これにより18歳、19歳でも親の同意を得ずに自分の意思で契約ができる一方、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合に、原則契約取消しができる未成年取消権を行使できなくなります。このため、悪質商法などによる消費者被害の拡大が懸念され、改正民法の施行時である令和4年に初めて18歳成人となる現在の中学生に対し、消費者教育をさらに充実させておく必要があると考えます。成年年齢が18歳に引き下げられ、若年者の消費者被害の拡大が懸念される中、消費者教育をどのように充実させていくのか、伺います。  次に、水道事業についてです。  持続可能で安心・安全な水道を確保していくためには、水道管や水道施設の老朽化対策及び耐震化対策を加速化させることが重要です。その財源確保をするために、本年6月から水道料金を改定する議案が本議会に上程されております。未来を見据えたとき、利用者の負担が増えることはやむを得ないとは思いますが、確保した財源を決して無駄にしないこと。健全経営及び経営戦略の着実な推進体制づくりが大変重要であります。新年度から水道部の課を再編予定と伺っておりますが、経営戦略推進のための体制づくりについて伺います。  次に、大項目6、子育て支援、教育行政について。  初めに、幼児教育・保育についてです。  昨年10月、公明党が2006年に発表した少子社会トータルプラン以来、その必要性を訴えてきた幼児教育・保育の無償化がスタートしました。この制度について、安倍首相は、いよいよ本年10月から幼児教育・保育の無償化が実現しました。これは小学校、中学校9年間の普通教育無償化以来、70年ぶりの大改革ですと高く評価し、述べられました。無藤 隆白梅学園大学大学院特任教授は、幼保無償化は消費税という公共財を用いることを踏まえて、国と自治体が3歳からの保育と教育の質の向上に責任を担う宣言とみなせます。それは、憲法に明記された義務教育の無償化に準ずる重みを持つ、幼児教育・保育の準義務化への政策転換と位置づけられますと指摘されています。無償化の意義は非常に重いと捉えております。  この制度の実施を受け、公明党は昨年11月から無償化の効果や課題を利用者と事業者から聞き取る実態調査を全国で実施、最終調査報告によると、無償化を「評価する」、「やや評価する」とした利用者の方は約9割に達しました。今後取り組んでほしい政策との質問に対し、保育の質の向上、ゼロ歳から2歳児の無償化の対象拡大を求める声が多くありました。一方、事業者側に対し、施設の安定的な経営を続ける上で期待する政策を聞いたところ、人材の育成、確保への支援、事務負担の軽減を求める事業者が多数でした。  そこで、利用者及び事業者から望む声が多かった、こども園等における教育・保育の質の向上や人材の確保について、本市はどのような取組を行っていくのか、伺います。  次に、学校教育についてです。  本市では、令和4年度に静岡型小中一貫教育の市内一斉スタートを目指して取組を進めています。小中一貫教育は、小学校と中学校が連携して9年間の継続した教育を行うとともに、地域の持つ人的、物的な力を学校教育に取り入れることで、子供たちに、より質の高い教育を進めていく重要な施策であると考えます。その実施に当たり、市内には小学校と中学校が分かれて存在する施設分離型の学校と小学校と中学校が1つになっている施設一体型の学校があり、それぞれで特色ある学校教育が行われています。このように様々なケースが存在する中、小中一貫教育をどのように進めていくのか、伺います。  現在、文部科学省は、小学校高学年に教科担任制の導入の検討を進めております。中央教育審議会においても、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について、令和4年度をめどに小学校高学年から本格的に導入すべきとしています。これは、小学校高学年の児童の発達段階、外国語教育などの専門性の向上を踏まえたものであり、今後は教科担任制に必要な教員数の確保や小中学校の連携についても検討していくとされています。教科担任制は専門的な指導による深い学びの保障と教員の負担軽減に効果があるとされていますが、小学校で英語が教科化されることにより、先生方が教材研究に苦労しているという話も聞いております。  さて、本市でも既に小学校における教科の専科教員の配置拡充が進められておりますが、小学校の教科担任制について、現在、本市ではどのように取り組んでおり、今後どのように進めていくのか、伺います。  OECD経済協力開発機構は、昨年末、国際学習到達度調査の結果を公表し、日本は読解力が前回の8位から15位と大きく後退したことが報道されました。近年、読書離れや活字離れが進み、自分の考えを書いてまとめることを苦手とする児童生徒が増えていると感じます。そうした状況の中で、他自治体では読んだ本の履歴を通帳型にして、読書の充実につなげるなど、様々な取組が行われております。  本市は、今年度、学校司書が全校配置され、学校図書館を授業で利用しやすいように環境整備が進められました。一方、限られた時間の中で学校司書が担当職員とやりとりする時間の確保が難しいという声も耳にしております。図書教育の推進とともに、それを支える学校司書の資質向上への対応も求められております。図書教育の現状を踏まえた今後の取組について伺います。  次に、放課後児童クラブについてです。  本市は、子ども・子育て支援プランの中で放課後児童クラブの待機児童の解消を目標に掲げ、児童クラブ室の整備拡充を進めてきました。その結果、ニーズの増加に対し、待機児童数は減少しており、着実に整備効果が表れております。一方、受け皿は拡大したが、さらなるニーズを踏まえ、今後の放課後児童クラブの安定的、継続的な運営のために支援員の確保と保育の質の向上が大切であると考えます。放課後児童クラブの支援員の確保と保育の質の向上にどのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、特別支援教育についてです。  本年度、総合教育会議では、特別支援教育について議論されました。「誰一人取り残さない特別支援教育」と題し、障害のある子もない子も共に学び、平等にその子の才能を開花できる教育環境を2030年までにつくり上げるとの政策目標を掲げ、教育環境を整えるとの方針を示しております。  本市の特別支援学級の在籍数は増加傾向にあり、本年度の在籍数は1,000人を超えております。その背景として、障害のある子供一人一人に応じた教育の場として、特別支援学級への理解が広がっていることがあります。まだ小中学校に特別支援学級の設置がなく、居住地域から離れた学校の特別支援学級に通っている児童生徒もおり、新たな特別支援学級の設置を強く要望する保護者の声を多く聞きます。こうした中、自閉症・情緒障害学級など、特別支援教室の拡充を本市はどう取り組むのか、伺います。  公明党静岡市議会は、人工呼吸器を使用して生活する重度の障害のある児童の教育現場を視察しました。特別支援学校に在籍する児童は、週2回、特別支援学校の教員による自宅への訪問教育を受けるとともに、地元の小学校で週1回の体験を行っております。同級生が自然に近寄って話しかける様子を拝見し、インクルーシブ教育の重要性を再認識するとともに、一人一人の障害の状態やニーズ等に応じた教育の必要性を強く感じました。児童の保護者は周囲の子供たちから刺激を受け、表情や表現が豊かになり、様々な取組への意欲が出るなどの変化を感じ、地元小学校への転籍を希望しております。  昨年3月には、文部科学省から学校における医療ケアの今後の対応についての通知があり、ガイドラインの作成や体制整備について示されたところであります。本市でも、多様化する特別な支援を必要とする児童生徒への対応がさらに求められており、こうした医療的ケアを必要とする児童への対応も必要と考えます。医療的ケアの必要な児童に対する取組をどのように進めるのか、伺います。  次に、児童虐待防止対策についてです。  東京都目黒区で起きた5歳女児の虐待死亡事件や千葉県野田市の小学生女児の虐待死亡事件を受け、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律が成立し、令和2年4月1日から施行することとなっております。この改正では、二度と同種の事件が起きることのないよう、児童虐待防止対策の強化を図るため、児童相談所の体制強化及び関係機関の連携強化等の措置を講ずるとされています。児童虐待防止対策の強化について、児童相談所はどのように取り組んでいくのか、伺います。  以上で1回目の質問とさせていただきます。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは大項目、施政方針についてのうち、市長の政治姿勢について、予算要望を踏まえて、市長は新年度どのような市政運営をしていくのかとのお尋ねにお答えいたします。  貴会派から昨年いただいた予算要望を大変予算編成の参考にさせていただきました。表紙を1枚めくってみると、「都市デザイン2020、挑む!静岡市~未来の活力創生を見据えて~」というタイトルもさることながら、大変目を引いたのは、「茶木魚(ちゃきっと)」を使っていただいた6人のイケメンの写真であります。一人一人がポーズを取っていて、さながらSDGs推進東京ガールズコレクションでサプライズ登場したSixTONESのようであります。  そして、中身について、私は大変心強く思いました。要望の内容は、2030年に向けての国際目標、地球規模の課題解決につなげる要望項目1)SDGsの推進という大きな目線に立った要望から、要望項目69、安心できる地域医療の確保まで、生活者の目線に立ち、小さな声を大切にという身近な視点から様々な問題提起や政策提案がなされていると私は理解しております。これは、私の政治姿勢とも大変つながるものだと心強く思いました。  私は、かねてから複眼思考、鳥の眼と虫の眼の2つの目線で市政運営に当たると申し上げてきました。貴会派の要望は、まさに鳥の眼の中長期的視点に立った、地球的視点に立った要望から、虫の眼、小さな生活者目線に立った要望まで1つになっているということは、私の政治姿勢、あるいは都市ビジョンの方向性と全く同じであります。このため、新年度予算を編成する上で幅広く、その考え方や具体の事業を予算案に盛り込ませていただいております。  1つだけ紹介すると、この要望1)一丁目1番地に掲げられているSDGsの推進につきましては、これまで3年間に及ぶ重点普及啓発期間の最終年度として、昨年度のウイーク、今年度のマンス、そして、来たる新年度はシーズンにこれを拡大し、総仕上げをしてまいります。また、普及啓発と同時並行で次のステップ、行動ですね、昨年9月に開催されたSDGsサミットで、国連が2030年までをSDGs達成に向けた行動の10年にする必要があると述べられましたが、第1段階の認知、第2段階の理解から、行動に局面を移していく必要性を感じているところであります。  その点からも、議員指摘のように行政は行動に向けての取っかかりの機会をつくっていきますが、結局は市民一人一人の小さな行動の積み重ねであります。しかし、人間というのは理性と感情がいつも葛藤している動物であります。施政方針で述べましたとおり、世界は食うか食われるか、むき出しの資本主義の中で弱肉強食のそういう資本主義の世の中であります。その中で、感情に負けないように理性とか良心の力を持って2030年までに、そういう力を結集して次の世代に、こんなすばらしい地球を残していこうというのがSDGsの本旨ですが、これは極めて難しい、そういうものなんだという理解もしております。人間とは何かという哲学的な問いに至っていくんだろうというふうに思っています。  しかし、その中で、私ども本年度から開始したSDGs宣言事業には、既に多くの企業、団体から公共性と事業性を両立していくんだという様々な宣言が寄せられております。それをさらに裾野を広げていくとともに、民間の中でも企業のみならず、学生やNPOなどの市民活動団体にもそのような機会を提供し、これまで個別に取り組んできた活動をつなぎ合わせて大きな力にしていく、理性と良心の力にしていくということの組織づくりに挑んでいきたいと思っています。  人間とは何かという問いかけを基に、常にヒューマンアンダースタンディングを念頭に置いて、社会性と経済性の両立を意識した市政運営に当たってまいります。SDGs推進の取組は、本市の世界における存在感を高め、世界に輝く静岡の実現につながるもので、アジアで唯一のSDGsハブ都市を認証された名に恥じないよう、今後とも官民連携の下、力強く進めてまいりますので、御理解をよろしくお願いいたします。  あとは副市長、教育長、政策官並びに局長に答弁させます。 6 ◯財政局長(川崎 豊君) 財政の中期見通しにおける財源不足の要因と今後の対応策についてですが、今回お示ししました財政の中期見通しでは、令和3年度から5年度までの各年度の財源不足は71億円から73億円と見込んでおります。この財源不足が生じる主な理由としましては、歳入においては市税や地方交付税などの一般財源総額の大幅な増加が見込めない中、歳出において障害者の自立支援給付費などの扶助費、介護保険事業会計への繰出金などの社会保障関係経費が大幅に増加することや、大型施設整備などにより投資的経費が増加することなどが要因です。このような財政需要に対応していくためには、現在取り組んでいる第3次行財政改革後期実施計画を今後も確実に実施することなど、歳入歳出の両面から不断の改善に取り組むことが重要であると考えております。  まず、歳入面は、毎年度着実に効果を上げている市税等の収納率のさらなる向上など、歳出面では、事務事業の見直し、アセットマネジメントの着実な実施、業務の効率化などによる経費節減に努めるなど、社会保障関係経費については健康寿命の延伸を目指した施策を推進するなど、将来負担の抑制に努めてまいります。 7 ◯政策官(赤堀文宣君) 第2期総合戦略における人口活力の考え方について答弁させていただきます。  総合戦略策定の目的は、それぞれの地域が実情に応じ、創意工夫を凝らした計画を策定することにより、人口減少時代にあっても地域活力の維持、向上を図ることにあると考えます。  本市では、2015年10月に策定した第1期総合戦略の下、この5年間、都市活力の源泉の1つである人口規模を最重要視し、移住支援センターの開設をはじめ、静岡暮らしを体験できるお試し住宅設置など、産官学金労言の各界との連携の下、オール静岡で人口維持・増加策に取り組み、人口減少の速度を鈍化させることに成功しました。  しかしながら、長期的には国全体の人口減少は避けられないことから、人口規模のみにとらわれることなく、持続可能な都市活動に不可欠な人口活力の維持にまで視野を広げることが重要です。そのため、第2期総合戦略では、地域経済の活性化をもたらす交流人口や地域と多様に関わり、新たな価値を生み出すことが期待できる関係人口の概念を取り入れながら、人口活力の維持を図ってまいります。特に人口活力の維持においては、人の流れを本市に呼び込むことが効果的であることから、観光施設等への誘客を推進するとともに、コミュニティー型ワークスペース、WeWorkを活用したシティプロモーションなどに取り組んでまいります。このような取組を通じて、戦略の目標に掲げる人口活力の維持及び持続可能なまちの実現を目指してまいります。 8 ◯企画局長(前田誠彦君) SDGsについての3点の御質問について併せてお答えいたします。
     まず、今年度の取組の評価と令和2年度の取組についてですが、SDGsマンスの参加者は速報値で前年より30%以上増えて3万3,254人の参加がありましたが、成果指標となるSDGs認知度は前年の36%は超えるものの、目標とする50%にはわずかに届かないと見込まれており、もう一頑張りが必要という評価でございます。  そこで、令和2年度は期間をさらにマンスからシーズンに拡大するとともに、SDGs宣言をした市内企業、団体などとの取組を強化し、3年間の重点普及啓発期間の集大成として目標を達成したいと考えます。  次に、ターゲットを絞り込んだ事業展開についてですが、17のゴール全てを均等に展開していく必要はないものと認識しています。しかしながら、SDGsの概念は3次総策定後に取り入れたため、現時点では総合計画全体ではなく最重要施策群である5大構想に対してSDGsを組み込む作業を進めている状況にあります。次期総合計画の終期は、SDGsの終期と同じ2030年を見込んでおりますので、総合計画の策定段階からSDGsとの整合を図り、絞り込みについても市民の皆さんの意見を伺いながら検討を深めてまいります。  最後に、大学等の教育機関との連携・協働についてですが、令和元年度は24回にわたって教育機関に対する職員出前講座を行い、SDGsマンスにおいては7つの大学、16の高校の参加を得るなど、連携・協働は着実に進んでおります。また、SDGs宣言をした企業が自社のSDGsに関する取組について学生たちと率直に意見交換する交流イベントを市が初めて企画し、開催しました。参加した学生、企業の双方から高い評価を頂きましたが、これはできればSDGsに前向きな企業に就職したいと考える学生と、できればSDGsを理解している学生を採用したいと考える企業のニーズがマッチしたためと考えられます。  そこで、令和2年度は市と教育機関の連携に、さらに企業を加えたこのような交流の場をさらに充実して、教育機関との連携・協働をより深めていきたいと考えます。 9 ◯総務局長(豊後知里君) 職員の確保・育成に関する3つの質問にお答えいたします。  初めに、女性職員の育成についてです。  女性職員の割合が年々増加する中、持続的な行政運営と多様化する市民ニーズへの対応をさらに向上していくためには、女性職員の活躍を推進していくことが必要です。  そこで、管理監督者と女性職員の意識改革に取り組みます。  まず、管理監督者の意識改革についてです。  職員の成長には仕事の与え方が重要なことから、性別にとらわれることなく幅広い職務機会を提供するなど、女性職員を積極的に育成・支援していこうという管理監督者の意識を高めます。そのため、所属長を対象に女性活躍の意義や必要性について認識を深めるダイバーシティ研修などを実施します。  次に、女性職員の意識改革についてです。  女性職員自らが市民からの期待に応える責任と役割の自覚を持つことや組織の一員として能力を発揮し、活躍するという意識を高めていきます。具体的には、昇任時期を迎えた主査級職員を対象に、難しい仕事や新たな配属を成長の機会と捉え、前向きにチャレンジする意欲やリーダーシップを学ぶキャリアアップ研修を新たに実施します。さらに、先輩職員の経験談を聞く機会や個別に相談する機会を増やし、キャリア形成への意識啓発に取り組んでいきます。  次に、会計年度任用職員の育成についてです。  市職員として市民からの信頼を高めることが必要なことを理解し、行動してもらうため、新たに採用される職員約400人はもちろんのこと、現在、非常勤職員として勤務している職員約900人についても、改めて地方公務員に求められる服務、公務員倫理などの集合研修を実施します。また、新たに採用される職員については、市民応対の向上のため、各局において職務の実情に合った接遇研修を実施します。  なお、勤務により集合研修に参加できない学校やこども園等に勤務する会計年度任用職員については、現場の状況に応じた研修を実施してまいります。  最後に、就職氷河期世代の採用についてです。  就職氷河期世代への就労支援は、国や地方自治体が率先して取り組むべき大きな課題と認識しております。本市においても、一般事務職員の年齢分布を見ますと、ほかの年代に比べ就職氷河期世代と言われる30歳代半ばから40歳半ばの職員数が少なく、この年代に空洞化が見受けられます。このような状況から、本市では職員の年齢層の平準化と就職氷河期に埋もれた優秀な人材確保を目的に、令和3年4月の採用に向け、令和2年度に就職氷河期世代を対象とした採用試験を実施してまいります。 10 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 南海トラフ地震臨時情報発表時の対応についてですが、本市では静岡県がガイドラインを検討するための専門部会に平成30年から委員として参加しているほか、中部5県3政令市の連絡会や庁内検討会、作業部会などで、その検討を進めてまいりました。それらを踏まえ、南海トラフ臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合の事前避難の対象者を、津波浸水想定区域内に居住する自力での避難が困難な避難行動要支援者とすることを、本年1月に開催した静岡市防災会議において決定し、地域防災計画上に位置づけたところです。事前避難者となる避難行動要支援者の避難先としては、国の基本計画で定められた1週間の避難生活を不自由なく過ごせるよう、知人や親類宅への縁故避難を基本と考えておりますが、縁故避難が困難な方については福祉避難所としての福祉施設やホテル、旅館などの確保も視野に入れながら受入体制の構築に向け、調整を進めてまいります。 11 ◯建設局長(松本 隆君) 近年多発、激甚化する豪雨に対し、どのような治水対策を考えているかについてですが、本市の治水対策は国、県、市が連携し、河川整備を進めております。国が管理する一級河川安倍川では、堆積土による河床上昇対策の要望活動を継続して行っており、その活動が功を奏し、国の補正予算が組まれる中、例年の20万立方メートルに対し、令和元年度は33万立方メートルの河床掘削が予定され、多発する豪雨への備えが確実に進められると伺っております。県が管理する二級河川巴川については、平成26年10月の台風第18号による清水区を中心とした大規模な浸水被害を踏まえ、清水区内の流下能力を向上させる本川掘削を盛り込んだ河川整備計画に変更していくと伺っております。  本市では、平成17年度から取り組んできた浸水対策推進プランにより、浸水リスクの高かった41地区のうち、葵区羽鳥、建穂地区の大門川河川改修や駿河区下川原地区の雨水貯留管など、23地区において整備が完了し、整備効果を発現してきました。  しかし、近年の多発、激甚化する降雨など、治水を取り巻く情勢の変化に対応するため、浸水対策推進プランのマスタープランである静岡市雨水総合排水計画を見直し、貯留施設や排水機場などの対策を加えることにより、治水安全度をさらに高めてまいります。 12 ◯都市局長(宮原晃樹君) 空き家等の対策に関する2つの御質問についてお答えいたします。  まず、空き家調査の進捗状況についてでございますが、空き家の実態を把握するための調査は平成30年度からこれまでに市街地を中心とした707の自治会・町内会の皆さんに御協力をいただき、3区合計で約3,000件の空き家の情報が集まりました。現在は頂いた情報を基に、空き家ごとの個票を作成する作業を行っております。令和2年度には全件を対象とした現地調査を行い、管理状況など、現況を確認してまいります。  次に、特定空き家の対応状況についてですが、本市では空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、平成30年度に17件を特定空き家に認定し、令和2年1月に新たに4件を認定しました。平成30年度に認定したものにつきましては、既に3件が所有者等により除却されており、残る14件は改善に向け指導を行っている状況で、うち2件については令和元年中に勧告を実施しました。また、清水区内の1件については現時点で所有者等が存在しておりませんので、令和2年度に略式代執行による除却を予定しており、現在、準備を進めております。 13 ◯経済局長(池田文信君) 企業支援についての2つの質問にお答えいたします。  まず、静岡市地域基本計画の活用及び効果についてですが、地域未来投資促進法は地域の資源や強みを生かし、地域経済を牽引する事業に取り組む企業を集中的に支援することで地域経済の活性化を図ることを目的としています。  本市では、この法の下、平成30年度から令和4年度までの5年間で本市の戦略産業などの分野の企業立地や設備投資を重点的に支援する静岡市地域基本計画を策定しました。この基本計画に基づき、企業が作成した地域経済牽引事業計画を本市が承認することで、企業が企業立地補助金に加え、設備投資減税や低利融資などの支援も活用できるようにしました。本市では、これまでに17件の事業計画を承認しており、平成30年度における事業効果は雇用増加が36人、売上高増加が15億円以上となっています。  これに加え、本市独自の取組として、WeWorkにおけるプロモーションやビジネスマッチングの機会を提供し、ビジネスチャンス拡大のための支援も行っております。こうした取組が企業の成長を加速させ、本市に立地することの魅力につながるものと考えています。  今後も、地域経済を牽引する力を秘めた成長性の高い企業への集中的な支援を行うことで、地域経済の活性化を図ってまいります。  次に、IT導入に向けた現状と今後の取組についてですが、中小企業のIT導入に向けた身近な相談体制を整えるため、平成31年4月に静岡商工会議所と連携したITなんでも相談窓口を開設しています。この窓口では、業務改善や生産性向上を目的に、IT経営の知見を持つ専門家等が相談者に対し、提案やフォローアップを行うことでITの導入から活用までの継続的な支援を行っています。これまで延べ950件の相談を受けていますが、特に消費税率の引上げを契機としたキャッシュレス決済やPOSレジの導入に向けての飲食、サービス業や小売業の事業者からの相談が多い傾向にありました。  今後、さらにインボイス制度への対応や労働力不足への解決にも効果が期待されることから、多くの相談が見込まれます。このことから、令和2年度は専門家の従事日数の拡充など、支援体制の強化を図り、中小企業のニーズに対応した支援を進めてまいります。 14 ◯農林水産統括監(草分與志君) ワサビのプロモーションの取組についてですが、本市では、貴重な地域資源であるワサビの伝統栽培が世界農業遺産に認定されたことを生かし、オクシズの交流人口の拡大とワサビの生産振興につなげることを目的にプロモーションを実施しています。これまで、ワサビ田の風景や食の魅力などを紹介する動画を作成し、SNSで国内外に発信しているほか、民間放送局を活用し、本市のワサビの魅力を紹介するテレビ番組を放送しました。また、産業フェアしずおかでは、高校生と協力してワサビPRブースを出展するなど、様々な方法でワサビの魅力を発信してきました。これらの取組の結果、葵区有東木の農産物加工販売施設うつろぎの平成30年度の利用客数が2万8,477人と過去最高となったほか、地元からは外国人の訪問者が増えたと聞いています。令和2年度は、10月に第54回全国わさび生産者大会が本市で開催されることから、市内外の方々に本市のワサビを知っていただく好機と捉え、大会運営を支援するとともに、同時期に開催する、オクシズ・しずまえまつりと連携し、積極的にPRしていきます。  今後も、生産者や関係団体と連携して本市のワサビの魅力を広く発信することで、オクシズの交流人口の拡大とワサビの生産振興を図っていきます。 15 ◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 海洋文化都市の実現に関します2点の御質問にお答えいたします。  最初に、興津人工海浜、海づり公園の整備について、現在の進捗状況と今後どのような整備がされるかについてですが、初めに、現在の進捗状況についてお答えします。  県事業である人工海浜などの整備については、2020年代中盤の供用開始に向けて、現在、埋立作業を進めております。また、市事業である海づり公園については、2023年の供用開始に向け、今年度は基礎鋼管くいの打設工事を実施しております。県、市いずれの事業も順調に進捗しております。  次に、今後どのような整備がされていくのかについてでございますが、これらの施設は国道1号バイパスにより隔てられた海側に整備されることから、地区内への車両や歩行者のアクセスが大変重要になります。そこで、人工海浜や海づり公園などの本体工事に加え、現在、同エリアへの車両の進入路について地元の声に耳を傾けながら、国、県、市で取付け位置や整備手法などについて協議を進めております。また、歩行者アクセスについても県が来年度、JR興津駅前と人工海浜側をつなぐ国道1号バイパス跨道橋の設計業務に着手する予定です。さらに、エリアの南端に桟橋として整備される海づり公園までのアプローチについても、緊急車両の進入や障害者の利用などに配慮した整備手法を検討しております。  本エリアは、東名、中部横断自動車道やJR興津駅から直近という好立地に、かつての清見潟をほうふつさせる磯場や日本で唯一、富士山を眺望しながら釣りが楽しめる海づり公園が整備されます。さらに、現在検討中の地場産品の物販施設が整備されれば、釣り人から家族連れまでが多様な海洋レクリエーションを一日楽しむことができるエリアとなり、広域からの集客も期待できます。  今後、整備の進捗に合わせ、本エリアの強みや魅力について県や地元自治会、釣り団体などと連携し、積極的に情報発信を行うとともに、旧海づり公園で来訪者が多かった山梨県や長野県などの中部横断自動車道沿線において重点的なPRを実施してまいります。  次に、コンテナ貨物の清水港の利用促進に向けて、どのように取り組んでいくのかについてですが、本市と国、県及び民間で組織する清水港利用促進協会では、インフラ整備等が進む清水港のより一層の利用促進に向けて、2つの点に重点を置き、取り組んでおります。  1つ目は、清水港をPRするセミナー等の充実です。新たな利用者を掘り起こすため、従来から実施している首都圏、甲府市及び浜松市でのセミナーに加え、中部横断自動車道の起点である長野県佐久市においても説明会を開催し、清水港が農水産物等の冷蔵、冷凍品も十分に扱える港であることを重点的にPRします。  令和元年11月に行った首都圏セミナーでのアンケートでは、自然災害による物流の遅れや東京オリンピックの影響による交通混雑が懸念される中、京浜港の代替港としての清水港の利便性について、9割以上の方から参考になったと評価を受けております。これを機に、好印象を得た荷主を対象に事業継続の観点からも、清水港の利便性を強調したセールスを行ってまいります。  もう1点は、コンテナ貨物の助成制度の見直しです。現在、新たに清水港を利用する荷主や貨物に対する助成制度を設けておりますが、今、申し上げました首都圏セールスなどの後押しになるよう、大規模物流倉庫の立地が進む神奈川県西部や北関東など、関東圏のコンテナ貨物を対象に、清水港利用への切替えを促進する割増し制度の検討をしております。 16 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) まちは劇場の推進に関する2点の御質問にお答えします。  1点目は、韓国釜山市との交流の今後の展開についてですが、釜山市とは本市での朝鮮通信使行列の再現を契機とし、毎年5月に釜山市で行われる朝鮮通信使祭り、10月に本市で行われる文化交流公演に、日韓それぞれの文化芸能を紹介する相互交流が続けられています。また、平成29年、朝鮮通信使に関する資料がユネスコ世界の記憶に登録されたことは、両市の絆をさらに深める出来事でありました。こうした中、釜山市との関係を歴史的、学術的なつながりだけでなく、現代における人と人との交流に広げ、新たな文化の創造の機会となるような国際文化交流に発展させていくことを目的に、令和元年度から大道芸を通じた新たな交流を始めました。釜山市での朝鮮通信使祭りと本市の大道芸ワールドカップに、アーティストをそれぞれ派遣し合い、フェスティバル間の交流に広がっております。  今後は、釜山市との国際文化交流を継続していく中で、新たに両市民がお互いの都市の認知度を高めていけるようなプロモーションを展開し、さらには東アジアにおける都市のプレゼンスを高めていきたいと考えております。  2点目の地域伝統芸能全国大会の内容と意義、成果についてですが、この大会は地域伝統芸能の知名度の向上と観光消費の活性化を目的として、一般財団法人地域伝統芸能活用センターが毎年開催するフェスティバルです。本年11月28日と29日に開催される静岡大会は、オリパラの静岡県文化プログラム認証事業として、本市と県が誘致したもので、静岡市民文化会館をメイン会場、駿府城公園をサブ会場とし、全国各地から30団体、国外から2団体が一堂に会し、それぞれの地域の伝統芸能が披露されます。この大会が本市で開催される意義については、オリパラ開催後の本市への誘客促進、出演者同士や他自治体との文化交流、地域伝統芸能の魅力の再認識、担い手の育成が挙げられます。  目指す成果については、県内外からの誘客として2万人の来場を目指しております。また、市内から6団体の出演が予定されており、継承に尽力されます保存団体に発表の場と交流の場を創出することで、出演者の意欲が向上し、担い手の育成や伝統芸能を披露する機会の増加が期待されます。  先ほどの釜山市との交流、全国大会の開催という、この2つの国内外の文化交流を通した、まちは劇場の推進により、本市のすばらしさを認知してもらい、交流人口の増加と地域経済の活性化を図っていきたいと考えております。 17 ◯副市長(美濃部雄人君) 新型コロナウイルス感染症について、どのような体制で取り組んでいるかについて、私からお答えいたします。  本市は、市民の生命・身体及び財産の安全を確保することを目的とし、静岡市危機管理指針を定めております。今回の新型コロナウイルス感染症は、指針で定義する危機の分類の中でその他の緊急事態等と位置づけており、今年の1月に国内で新型コロナウイルスに感染した人が発生して以降、指針に基づいた全庁的な危機管理体制を確立し、対応しております。  まず、1月31日には関係局の次長を招集した危機管理連絡会議を開催し、保健所から示された新型コロナウイルス感染症に関する基本情報の共有化を図るとともに、今後の対応について協議したところであります。さらに、2月17日に厚生労働省から行政検査の対象者及び検査を行う上での留意点が通知されたことから、2月25日には2回目の危機管理連絡会議を開催し、国の通知や県の基本方針とともに、現時点における各局の対応状況についての情報共有を進めました。  このような中で、2月26日には安倍首相より、これから2週間程度の対応が今後の感染症対策を左右するものとした声明が発せられました。本市としては、この事態を重く受け止め、急遽2月27日に市長をトップとし、関係局の局長で構成する新型コロナウイルス感染症に関わる危機対策本部会議を設置し、市が主催するイベントなどに関する基本方針や地域経済への影響を考慮した対応、学校現場や行政組織における感染症対策などについて方向性を示したところであります。  また、同日、安倍首相から小中高等学校の臨時休校の要請があったことも受け、2月28日には、翌週の3月3日火曜日から市内の公立小中学校、高等学校を3月15日まで臨時休校とする方針を本市教育委員会から示したところであります。  今後は、この感染症に対し、危機対策本部を中心とした庁内体制の中で医療機関や教育現場、産業界など、各方面に及ぶ影響について多角的視点から総合的に検討し、それらに対応した施策を迅速に進めてまいります。 18 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 新型コロナウイルスに関する市民への情報提供や医療機関との連携に向けた取組についてですが、新型コロナウイルスに関する情報は、国等から発信される通知等に基づき、市ホームページに掲載し、随時更新しております。また、福祉・介護関係事業所のほか、特に人が集う宿泊施設や映画館、劇場等に対しては、利用者への注記喚起や施設内の衛生管理の徹底等、管理者が留意すべき事項についての対応を依頼しております。  次に、医療体制を整えるために医療関係者連絡会を開催し、感染が疑われる患者等の発生時における対応について、市内病院、医師会等、関係機関との情報の共有化を図っております。また、感染の疑いが強い方を専門の外来受診につなげるため、保健所保健予防課内に帰国者・接触者相談センターを設置し、24時間体制で対応しているところです。  なお、2月28日に陽性が判明した感染症患者は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船していた方で、下船後、本市において健康状態をフォローアップしていた中で、帰国者・接触者外来を受診した結果、陽性が判明したものであり、現在は感染症指定医療機関に入院しております。また、市民の皆様にとっては連日、新型コロナウイルスに関する情報が報道され、身近な場所でも起こったことに対して不安を感じていらっしゃると思います。状況が刻々と変化する中、今後も正確な情報を収集し提供することで、市民の皆様の不安が軽減できるように努めるとともに、地域の医療機関や関係機関と緊密な連携の下、情報共有と医療体制の整備等の対策を進めてまいります。 19 ◯建設局長(松本 隆君) 道路整備についての御質問にお答えします。  日本平久能山スマートインターチェンジアクセス道路整備についてですが、アクセス道路として整備している県道山脇大谷線は、国道150号から新東名高速道路を結ぶ約11キロメートルの道路であり、地域高規格道路や重要物流道路など、多くの役割を担っております。事業進捗としましては、南側のアクセスとして国道150号から広野大谷線までの延長1.4キロメートルをインターチェンジの開設に合わせ、平成30年10月に供用開始しております。また、北側からのアクセスとしては、平成30年度より中野小鹿線から広野大谷線までの1.5キロメートル区間に着手したところであり、これまでに道路設計、用地調査などを完了しています。令和2年度より用地取得並びに工事に着手してまいります。引き続き、地元及び関係機関との連携を強化するとともに、国の交付金を積極的に活用し、事業の推進を図ってまいります。  次に、仮称両河内スマートインターチェンジ設置に向けた取組についてですが、中部横断自動車道を効果的に活用するため、平成27年度より検討を進めてまいりました。その間、国への要望活動などを実施するとともに、国やNEXCO中日本と積極的に協議を重ね、かなり困難な道のりではありましたが、令和元年9月27日に事業化に向けた一歩となる国土交通省の準備段階調査箇所に位置づけることができました。準備段階調査の検討では、いかに利用促進を図るかが重要であり、スマートインターチェンジを最大限に活用し、地域の活性化につなげることが求められます。設置決定には、次の段階となる地区協議会での検討を経て、国の連結許可が必要となりますので、引き続き国やNEXCO中日本及び地域の皆さんと連携し、事業化を目指してまいります。 20 ◯都市局長(宮原晃樹君) AI相乗りタクシー実証実験を踏まえ、令和2年度はMaaS導入に向けてどのような取組を進めていくのかについてですが、今回の実証実験には456人の市民の皆さんが参加者として登録していただきました。そのうち約4割に当たる179人が実際に乗車していただきました。乗車された方からは、さらなる料金の低廉化を望む意見はありましたが、予約や決済の簡便さなどから、今後も継続して利用したいという意見を約8割の方々からいただきました。乗車されなかった方からは、実験区間や利用時間が限定的であったこと、他人と乗り合うことに対する抵抗感など、今後の課題となる意見を頂きました。  また、タクシー事業者からは相乗り運行の採算性やタブレットの操作性など、運行者の視点から様々な意見を頂き、今回の実験を通じてAI相乗りタクシーは運用の改善を図ることで市民の皆さんの新たな移動手段として有効であることが確認できました。このため、令和2年度は実験範囲や利用時間などを拡大し、鉄道やバス、AI相乗りタクシーなどを1つの移動サービスとして提供する実証実験を行い、検索、予約、決済を一括で行えるシステムの構築等に向けた取組を進めてまいります。 21 ◯環境局長(櫻井晴英君) 環境政策についての2点の質問にお答えします。  最初に、2050年二酸化炭素排出実質ゼロの表明についてですが、二酸化炭素排出実質ゼロとは、人間活動による温室効果ガス排出量と森林整備などによる吸収量とがプラス・マイナスゼロの状態になることを指し、本年2月27日現在、東京都、京都市、横浜市をはじめとする73の自治体が2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロとしていくことを表明しております。  本市としても、実質ゼロを目指していくことは極めて意義のあることと認識しております。そのため、市民、事業者の意識改革を図るとともに、他都市における先進事例の調査や民間企業の技術革新の動向を注視しながら、実質ゼロを実現するためのロードマップの策定について検討を進めているところでございます。実質ゼロの表明については、こうした調査や検討を踏まえ、判断してまいります。  次に、特定外来生物の適正管理及び次期生物多様性地域戦略における取組についてですが、まず、アライグマやカミツキガメなど、特定外来生物の適正管理については、平成23年度に策定した静岡市生物多様性地域戦略に基づき、人と生き物が共生する社会づくりに向けた戦略として、市民との協働による管理体制の構築と防除対策に取り組んでおります。例えば、これまで麻機遊水地で発見されているカミツキガメについては、外来生物法に基づき防除計画を策定し、静岡大学の協力のもと、市民の皆さんの参画も得ながら防除を進めております。  また、平成29年度から清水港で発見されているヒアリ、アカカミアリについては、国、港湾管理者である静岡県と連携を密にして、清水港周辺への拡散防止のため、監視を継続しております。  次に、令和3年度からの10年間を計画期間とする次期戦略についてですが、生物多様性の保全に向けた活動への参加意識の醸成、多様な主体の協働・連携による保全活動の拡大に向けた取組などを、より一層推進できる戦略となるよう現在、改定作業を進めております。 22 ◯市民局長(深澤俊昭君) 区役所パスポート窓口と消費者行政に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、パスポート窓口の休日開庁の状況と今後の拡充についてですが、パスポートの受け取りは本人に限定されていることから、平日に仕事をされている市民の皆さんの利便性を図るため、令和元年9月から月に一度、日曜日の午前9時から12時までの間、3区役所で交付窓口を開庁し、パスポートの交付を行っております。パスポート申請時の案内やホームページによる周知により、1月までの5回の開庁で569件の利用があるなど、成果を上げてきているところであります。  今後の拡充については、利用の状況やニーズを踏まえて検討していきたいと考えております。  次に、若年者の消費者教育についてですが、平成30年度に本市の消費生活センターが未成年者から受けた相談のうち、主なものは化粧品、健康食品などのインターネットでの定期購入に関するものなど67件で、近年増加傾向にあります。このような状況の中、議員御指摘のとおり、若年者、特に成年年齢の引下げを見越した中学生への消費者教育の充実が課題であり、主に2つの事業を実施しております。  1つ目は、消費者トラブルなどについて分かりやすく解説した中学校家庭科の副教材「エブリデイ消費者!」の活用です。成年年齢の引下げなどを反映した新学習指導要領に合わせ、全面改訂に着手します。改訂に当たっては、インターネットトラブルなど、若年者の相談傾向や社会情勢を踏まえたものとし、令和3年度の配布を目指します。  2つ目は、市内3中学校を消費者教育推進モデル校に指定して、弁護士、消費生活相談員によるキャッシュレス決済や契約に関する講座などを行い、より実践的な消費者教育を実施しています。  今後も、副教材の全面改訂などを通じて、家庭科教育を側面から支援するとともに、消費者教育推進モデル校で蓄積した経験や知見を生かしつつ、さらなる消費者教育の充実を図ってまいります。 23 ◯上下水道局長(森下 靖君) 経営戦略を推進するための体制づくりについてですが、経営戦略に掲げた水道管の更新及び施設の耐震化を加速化させていくためには、着実に事業を実施することが求められております。  そこで、限られたマンパワーなどの経営資源を有効に使い、効果的に事業を推進することができるよう、3つの視点から組織を改正いたします。  1つ目は、経営戦略を含む計画の進捗と予算執行を連動させ、より効果的な経営を行うため、水道総務課経理係と水道企画課計画係の経営管理部門を統合し、新たに経営企画課を設け、残る総務部門は水道総務課に集約します。  2つ目は、管路の更新率を向上させ、水道管と水道施設の整備を一体的に行うため、水道管路課、水道施設課を再編し、新たに水道基盤整備課を設け、水道管路課、水道施設課は維持管理に特化します。  3つ目は、料金改定に伴い、お客様サービス向上策の一環として市民からの問い合わせなどの窓口の一本化や宅内漏水への対応の迅速化を図るため、営業課と給水装置課を統合し、お客様サービス課を設置します。  以上のような体制を整え、料金改定による財源を基に事業を着実に進めてまいります。 24 ◯子ども未来局長(安本一憲君) こども園等に関する御質問にお答えします。  こども園等における教育・保育の質の向上、人材の確保に係る取組についてですが、まず、教育・保育の質の向上については、保育教諭の資質向上を図ることが重要と考え、市立園が実施する公開保育や研修会のほか、県保育士協会が主催する研修会などにおいて、市立と私立の職員が共に啓発し、学び合うことにより、市全体の資質向上に努めています。また、市立園では令和2年度から課題の解決や若手保育教諭の育成を図るため、経験豊富な再任用職員を幼児教育・保育推進支援員として各園に派遣します。  次に、人材の確保については、保育需要が高まる中、年々難しくなっていることから、その対策も重要課題と捉えています。そのため、本市では静岡市保育士・保育所支援センターを設置し、専門スタッフによる就職説明会や求人、求職のマッチング、潜在保育士の再就職支援、就学資金貸付事業などを行っています。また、私立園に対して、市独自の処遇改善や保育士の宿舎借り上げの補助を行うなど、人材の確保に対する支援に努めています。  今後も、保育教諭の資質向上に努めるとともに、保育人材の確保に向け、全力で取り組んでまいります。 25 ◯教育長(池谷眞樹君) 学校教育についての御質問、小中一貫教育の進め方についてお答えいたします。  本市では、静岡型小中一貫教育として、小学校と中学校の縦のつながりだけでなく、学校と地域が連携して取り組む横のつながりを大切にした9年間の一貫した教育を進めております。令和4年度の全市一斉スタートを視野に準備を進めており、現在、各中学校区ごとに小学校と中学校で小中一貫グループをつくり、地域の皆さんと一緒になって目指す子供の姿やカリキュラム等について議論し、どんな授業を大事にするかなどの構想をまとめているところです。  小中一貫教育の効果として、モデル的に先行実施している学校では、子供たちの交流活動で小学生の中学校入学への期待感が高まったり、中学生が地域の防災訓練に企画から参加することで、住んでいる地域に対する愛着が高まったりするなど、子供たちに変化が見られております。また、多くの小中一貫グループでは、小学校と中学校が別の場所にある施設分離型の小中一貫教育ですが、1中学校と1小学校でグループをつくっている中山間地の学校では、平成27年度より順次、施設一体型の小中一貫教育を行うための施設整備を進めており、令和2年度には、新たに玉川地区に施設一体型小中一貫校を開校いたします。さらに、両河内地区で地域の要望を踏まえた3つの小学校を両河内中学校へ統合する、市内で初めての複数の小学校と中学校施設一体型の小中一貫校とする準備を始めます。この新しい学校の構想に当たっては、まず地域が自ら主体的に地域の課題や子供たちの将来あるべき姿を考え、それを市がサポートしながら実現していくという形で進めてきました。  今後は、地域の皆さんと一緒にまとめ上げた目指す子供の姿を実現する授業や施設整備などについて具体的な議論を重ね、令和4年度の開校に向けて取り組んでおります。 26 ◯教育統括監(望月敬剛君) 小学校の教科担任制についてですが、現在、小学校では理科や音楽など、一部の教科で専科教員による指導が行われており、特に英語の学習を充実させるために英語専科教員17名を配置し、40校で専門的な指導を行っているところです。令和元年度に実施した英語専科教員配置校、6年生の児童アンケートからは「外国語の授業が好き」が81.3%、「言葉の背景にある文化の違いに気づいた」が97.8%と回答するなど、授業への意欲や外国への関心が高まっており、専門性の高い教員の指導による大きな効果だと考えています。  今後の取組としましては、引き続き小学校英語専科教員の拡充を進めるとともに、英語専科に限らず国へ専科教員の加配を要望して人員の確保に努め、小学校高学年の専門的な指導の充実につなげてまいります。 27 ◯教育局長(遠藤正方君) 私からは、図書教育の現状を踏まえた今後の取組についてお答えします。  これからの教育において、落ち着いた環境の中での読書を通じて子供の想像力を培っていくことは欠かせないことであり、かつ情報を活用する力を育むことが大切になってきます。そして、それらの力を育むために学校図書館の果たす役割は大きなものとなっています。  そこで、令和元年度は兼務も含め、学校司書を全校に配置し、学校図書館の環境整備を進めてきました。その結果、特に平成30年度まで未配置であった学校では、読書環境が改善され、来館者数や貸出冊数が前年度より大幅に増加しています。加えて、令和2年度は授業における学校図書館の活用をさらに進めていきたいと考えています。そのために子供の教育のニーズに応えられるよう、授業時間に合わせて学校司書の勤務時間を拡大します。また、令和元年度に作成した学校図書館活用ガイドラインに基づき、学校司書の資質向上を図るための研修を充実させていきます。このような取組を通して、子供の読書環境のより一層の充実を図っていきたいと考えております。 28 ◯子ども未来局長(安本一憲君) 放課後児童クラブに関する御質問にお答えします。  放課後児童クラブの支援員の確保と保育の質の向上への取組についてですが、今後、放課後児童クラブの利用者は増加する見込みであるため、現在策定中の次期子ども・子育て・若者プランに基づき、利用の見込みに対応するクラブ室の整備を実施するとともに、支援員の確保と保育の質の向上に取り組んでまいります。  まず、支援員の確保については、公共交通機関や市ホームページ等への募集広告や案内の掲載のほか、夏休み期間に任用が中断する特別支援教育支援員の活用も行ってまいります。併せて、支援員の処遇改善として、一定の経験年数に応じた加算手当や賃金単価のベースアップ等に運営受託者と協議しながら取り組んでまいります。  次に、保育の質の向上については、支援員に対して市が年2回研修会を開催するほか、運営受託者が階層別やブロックごとの研修会を実施するなど、支援員の資質向上に努めています。さらに、令和2年度から支援員を増員し、支援の単位を構成する児童数をおおむね70人以下から、おおむね40人以下へと少人数にするなど、これまで以上にきめ細やかな保育の実施に努めてまいります。
    29 ◯教育統括監(望月敬剛君) 特別支援教育についての2つの質問にお答えいたします。  まず、特別支援学級の拡充についてですが、本人及び保護者や学校、地域のニーズを確認しながら進めております。令和元年度には、4つの自閉症・情緒障害学級を含む11学級を新たに設置しました。令和2年度にも、小中学校合わせて自閉症・情緒障害学級を8学級、知的障害学級を2学級の計10学級の新設を予定しています。  次に、医療的ケアの必要な児童に対する取組についてですが、本市では、平成30年度から医療的ケアが必要な児童が在籍する小学校2校に看護師1名を兼務配置しています。小中学校への看護師の配置については、各校に在籍する児童生徒の実態調査を基に決めており、令和2年度も引き続き子供のニーズに応じながら配置を進めてまいります。 30 ◯子ども未来局長(安本一憲君) 児童虐待防止対策に関する御質問にお答えします。  児童虐待防止対策の強化について、児童相談所はどのように取り組んでいくのかについてですが、今回の児童福祉法等の改正では、児童相談所の体制強化及び関係機関との連携強化等の措置を講じることとなっております。そのため、まず、児童相談所の体制強化として、令和元年度の職員配置、児童福祉司20名、児童心理司9名から、法改正を踏まえ、2年度はさらに増員してまいります。  また、本市では、これまでも児童相談に当たる職員を行政職から心理司等の専門職に切り替えることで専門性を高めてまいりましたが、令和2年度もさらに専門職の配置を進めてまいります。そのほか、今回の法改正より先行して令和元年度から介入機能と支援機能を分離した体制に整備し、より迅速な対応と保護者への効果的な指導ができるようにしました。  次に、関係機関との連携強化としては、DV対応と児童虐待対応の連携を強化するため、令和2年度から各区福祉事務所の配偶者暴力相談支援センターと定期的に情報交換会を開催してまいります。  今後も、児童相談所の体制及び関係機関との連携の強化に取り組み、児童虐待防止対策のさらなる推進を図ってまいります。   〔14番山梨 渉君登壇〕 31 ◯14番(山梨 渉君) 御答弁ありがとうございました。  質問を続けます。  次に、大項目7、共生社会の構築について。  初めに、ひきこもり対策についてです。  深刻化する8050問題に対し、中高年のひきこもり支援の必要性は、かねてより指摘されてきましたが、痛ましい事件が発生してしまいました。国の調査では、40歳から69歳のひきこもり者数が61.3万人と推定され、15歳から39歳までの方を含めると100万人を超えると推定されております。  本市においては、ひきこもり地域支援センター「DanDan」や地域包括支援センターへ、問題が複合的、複雑化している当事者世帯の相談が寄せられております。当事者の抱える問題をしっかりと受け止め、寄り添った支援ができるよう、本市として、さらなる体制強化が必要と考えます。中高年のひきこもり支援をはじめとする様々な問題を抱える方々に対する支援をどのように考えているか、伺います。  次に、住宅政策についてです。  高齢化などがもたらす担い手不足によって、住民が支え合うコミュニティー活動が困難になることは、団地において特に危惧されております。本会議において、大学との連携事業で市営住宅の空き住戸を学生同士が共有して居住する、いわゆるルームシェアを行い、学生入居を促進させ、団地の活性化につなげている事例を取り上げ質問をいたしました。局長からは、市内の大学などへ働きかけ、団地の住民と学生双方にメリットがあるような入居形態を含む参画モデルを研究していくとの御答弁があったところです。その後、住宅政策課による調査研究が進められていると思いますが、市営住宅への学生入居の取組について、どのように進めていくのか、伺います。  次に、多文化共生意識の向上についてです。  近年、日常生活の中で外国人の方を見かけることが多くなりましたが、本市の外国人住民数は昨年4月には1万人を超え、特にベトナムやネパールなど、東南アジア出身者の方が増えるなど、国籍別でも80カ国以上に上り、多国籍化が進んでおります。そのため、様々な文化を持つ人たちとともに暮らしていくために、外国の文化や習慣を学び、多文化共生意識を向上する必要があると考えます。異文化理解を促進するための現在の取組と、今後どのように多文化共生意識の向上につなげていくのか、伺います。  次に、再犯防止計画についてです。  刑法犯の検挙者に占める再犯者の割合は非常に高く、国の統計によれば全国平均で48.7%となっております。再犯防止対策は安心・安全な地域づくり、共生社会を実現するために重要であります。このため、再犯防止推進法の成立に伴い、国の再犯防止推進計画が策定され、地方公共団体が地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないとされました。再犯防止の推進は、犯罪をした人たちが社会で孤立せず、再び社会を構成する一員として復帰することにより、誰ひとり取り残さない社会の実現に寄与するためのものであり、本市においても重要な取組だと考えます。地方再犯防止推進計画策定に向けた、本市のこれまでの取組と今後の進め方をどのように考えているのか、伺います。  次に、大項目8、健康長寿のまちについて。  初めに、CCRCについてです。  生涯活躍のまち静岡CCRC推進事業については、葵区と駿河区に1つずつモデル地区を定め、それぞれ異なるコンセプトで進められております。そのうち駿河区においては交流、共生をコンセプトに地域福祉共生センター「みなくる」を拠点として、高齢者、子育て世代、学生、子供たちなどと様々な世代が地域の中でつながることができる、多くの事業が展開されております。そして、令和2年度には地域福祉共生センター「みなくる」の南側の市有地において地域多世代交流型住宅の整備が開始され、令和3年春頃の完成が予定されております。地域多世代交流型住宅の整備により、今後どのようなまちづくりを進めていくのか、伺います。  次に、高齢者就労支援についてです。  人生100年時代と言われる中、健康づくりや生きがい、社会参加、生活安定の観点に加え、企業や地域活動の担い手の確保や地域経済活性化の観点からも、多くの元気な高齢者が健康長寿で、企業や地域で活躍することができる環境を整備する必要があります。本市においても、厚生労働省のモデル事業を活用し、官民連携による取組を開始、昨年6月に静岡庁舎2階に開設したシニア向け就労サポート窓口NEXTワークしずおかは、オープン以来、市民の皆さんから大変好評を頂いております。高齢者の就労促進事業の初年度の成果はどうであったか。また、今後どのように進めていくのか、伺います。  次に、成年後見についてです。  認知症高齢者数は年々増加し、認知症等により判断能力が十分でない市民を法律的に支える成年後見制度の必要性がますます高まる中、公明党は成年後見制度利用促進、市民後見人の育成、中核機関の設置を訴えてまいりました。本市は、平成31年3月、静岡市成年後見制度利用促進計画を策定し、成年後見制度の利用促進を図ってきました。令和2年度は利用促進をさらに強化するため、相談支援の中核機関、成年後見支援センターをいよいよ夏頃に開設することとなりました。令和2年度に開設予定の成年後見支援センターの機能はどのようなものか、伺います。  次に、認知症対策についてです。  本市の認知症高齢者数は、平成31年3月末現在、2万4,000人余りとなり、高齢者の約9人に1人という状況ですが、5年後には高齢者の約5人に1人に達することも見込まれております。認知症は誰もがなり得るものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め、多くの人にとって身近なものであります。国は、昨年6月、認知症施策推進大綱を取りまとめ、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる共生を目指し、認知症バリアフリーの取組を進めていくとともに、共生の基盤のもと、通いの場の拡充など、予防の取組について進めていくと示しております。本市において進めてきた認知症高齢者に優しいまちづりくに向けた事業の成果と、今後の取組はどのようか、伺います。  次に、大項目9、医療体制の充実について。  初めに、がん対策についてです。  静岡市議会平成31年2月定例会において、議員提案による政策条例、静岡市がん対策推進条例を全会一致で可決・制定いたしました。市民、保健医療関係者、事業者、市が一丸となって、がん対策に取り組んでいくことがうたわれ、がん検診の推進やがん患者への支援、AYA世代への支援などが特徴的な内容となっております。また、条例では、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する計画を策定することを盛り込みました。条例制定から1年が経過しますが、がん対策推進のための計画策定スケジュールと今後の取組はどうなっているのか、伺います。  次に、依存症対策についてです。  ギャンブル依存症は、ギャンブル等にのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の1つです。これにより日常生活や社会生活に支障が生じることがあります。本市では、政令市で初めて、ギャンブル依存に特化した集団での回復プログラム、リカバリーチャンネルに取り組んでおります。ギャンブル等依存症対策基本法が施行され、全国的にも対応が進められているところであります。静岡市におけるギャンブル依存症対策の取組と今後の対応について伺います。  次に、救急体制についてです。  市民が急な病気やけがで救急車を呼んだほうがよいのか、自分で今すぐ病院へ行った方がよいのかなどを迷った際に、電話で「♯7119」と押すだけで医師や看護師等の専門家からアドバイスを受けられる相談窓口、救急安心センター事業を運用する自治体が全国に広がっております。令和元年12月現在、東京都をはじめとする16地域、人口カバー率43.9%で実施、救急車の適正利用や救急医療機関受診の適正化に大きな成果が出ております。広域化がなされた静岡市消防局において、いち早く導入が必要と考えます。本市における「♯7119」の導入について、どう考えるのか、伺います。  以上で2回目の質問とさせていただきます。 32 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 中高年のひきこもりをはじめとする様々な問題を抱える方々に対する支援についてですが、本市においても、ひきこもり地域支援センター「DanDan」には、若者のみならず中高年のひきこもりに関する相談が数多く寄せられています。その背景には、介護、障害、生活困窮等、各分野にわたる複合的な問題があると考えられ、必要とされる支援も複雑化、困難化していると認識しております。  こうした様々な問題を抱える方々に対する支援を推進するためには、各分野の個別支援を充実・強化することに加え、当事者の抱える問題をしっかりと受け止め、状況を把握、整理し、各分野の支援に円滑につなげることが求められます。そのためには各分野を横断し、総合的に支援する包括的な支援体制の構築が急務であると考えています。現在、「DanDan」を所管する子ども未来局と保健福祉長寿局の連携によるワーキングを立ち上げ、中高年も含めた、ひきこもり支援体制の強化に向けて取組を進めております。  今後は、包括的な支援体制の構築に向けて、このワーキングの中でもさらに検討を重ね、早期に具体的な取組へとつなげてまいります。 33 ◯都市局長(宮原晃樹君) 市営住宅への学生入居の取組についてでございますが、団地コミュニティーの活力向上の手段の1つとして、学生の入居は有効であると考えております。大学との連携を模索する中で、平成31年2月に市内の大学から留学生の入居に関する相談があり、本市と複数回にわたる協議を経て、シェアハウスという入居スタイル案をベースに検討することとなりました。令和元年6月に留学生に団地の住戸を見学していただいたところ、希望する設備など、新たな課題が浮上したことから、これらを踏まえた空き住戸のリフォームを行い、本年2月中旬にモデルルームとして完成しました。  今後は、大学と留学生に改めて評価していただくとともに、大学側のサポートなどについても早期に調整を行い、本市と学生を含む大学、団地自治会の三者が合意できるシェアハウスの実現に努めてまいります。さらに、留学生だけでなく対象を広げ、一般学生のニーズについても調査を行い、大学側と団地の皆さん、双方にメリットがあるような入居スタイルも検討してまいります。 34 ◯市民局長(深澤俊昭君) 異文化理解促進のための現在の取組と今後どのように多文化共生意識の向上につなげていくのかについてですが、気軽に外国の文化に触れ、外国人とのコミュニケーションを楽しめるイベント、わいわいワールドフェアを外国人を含む幅広い年代の多くの市民ボランティアの協力に支えられ、毎年開催しております。このフェアは、参加者の要望を基に、ブラッシュアップを図ることで令和元年度は約1万8,000人の方に参加いただき、多くの市民の皆さんが異文化を体験できるイベントにつくり上げてきました。また、幼少期からの豊かな国際感覚を醸成するため、こども園等に外国人の国際交流員を毎年100回程度派遣し、外国の遊びや歌などをテーマに、多様性を体感できる機会を提供しています。  このような状況の中、在住外国人等で構成される静岡市多文化共生協議会からは、地域において外国人とのさらなる交流を促す取組が必要であるとの提言をいただいております。そこで、2年度に多文化共生サポーター養成講座を静岡シチズンカレッジ「こ・こ・に」の専門課程として新たに開講し、地域交流の促進に貢献できる人材の育成に取り組みます。講座終了後には、日本人の異文化理解の向上を目的とするイベントや外国人が地域に溶け込む上で必要な支援の場につなげ、活躍いただくことで市民の皆さんの多文化意識の向上を図ってまいります。 35 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 再犯防止計画と健康長寿のまちに関する3つの御質問にお答えします。  まず、地方再犯防止推進計画策定に向けた本市のこれまでの取組と今後の進め方についてですが、再犯防止に係る施策の範囲は広く、計画策定においては市内で再犯防止に関する取組を行っている関係機関等の状況を把握し、連携体制を強化していくことが必要となります。そのため、令和元年7月から10月に市長が直接訪問し、現地現場の声を聞く市長ミーティング室を静岡刑務所、静岡少年鑑別所及び駿府学園の3施設で行い、施設職員と情報共有や意見交換を行いました。また、12月には福祉総務課において、各区の保護司会や更生保護女性会、協力雇用主会といった関係団体へのヒアリング等を行い、各団体の活動状況を把握しました。  今後は、計画策定を進めるための庁内組織を立ち上げ、再犯防止に関する現行の施策を洗い出すとともに、犯罪をした者等に対する就労や住居の確保、保健医療、福祉サービスの利用促進などについて検討してまいります。併せて外部の関係機関等によって構成される計画策定委員会を立ち上げ意見を伺いながら、令和2年度内の策定に向け取り組んでまいります。  次に、地域多世代交流型住宅の整備による駿河共生地区のまちづくりについてですが、この施設は入居者間の交流だけではなく世代間や地域間の交流やつながりをつくり出すことを目的として、サービス付高齢者向け住宅、子育て世代向け賃貸住宅、学習塾、入居者や地域の方の交流スペースなどを有する複合施設で、遊休市有地を活用して民間事業者が整備運営することを予定しています。  隣接する地域福祉共生センター「みなくる」とともに、駿河共生地区のコンセプトである地域多世代交流を推進するシンボル的な施設として、地域の方をはじめ、近隣の学校、企業、福祉団体などの関係機関と連携し、健康づくりやボランティア、地域福祉に関する講座、イベントなど、交流スペースを活用しながら、様々な社会活動への参加機会を創出します。そして、地域で誰もが生涯活躍できる環境を整備し、地域社会に溶け込み、健康でアクティブな生活を実現することで健康寿命を延伸するとともに、南部ふれあい公園などの地域資源の活用や元気な高齢者の移住定住を進め、地区の魅力をより一層高めてまいります。さらに、これらの取組を駿河地区モデルとして市内外に広く発信することにより、5大構想に掲げる健康長寿のまちを、より一層推進してまいります。  次に、高齢者の就労促進事業の実績と今後の取組についてですが、本年1月末現在、NEXTワークしずおかの来場者数は延べ3,655名で、そのうち1,204名の方から個別相談を受け、160名の方を就業につなげることができました。また、これまで2回のシニア向け合同企業説明会を開催し、延べ268名の方と23社の企業に参加いただきました。このほか、再就職に不安のある方をサポートするセカンド就労研修やJAの全面的な協力を得ながら実施するインターンシップ型の農業研修など、本市独自の企画にも多くの方に参加いただき、全ての事業において年間目標を半年前倒しして達成することができました。これらの取組が全国的にも注目を集め、厚生労働省をはじめ、自治体職員や議員団など、20団体を超える視察も受け入れてきました。  次に、今後の取組ですが、NEXTワークしずおかの就労サポート窓口としての価値をより一層高めていくためには、シニアの方のニーズにかなった魅力的な求人情報を数多く取りそろえる必要があると考えています。このため、御来場いただいた方の経験や資格などの情報をリストにまとめて見える化し、企業に示しながらシニア人材の活用を提案することで求人情報の獲得を進めてまいります。  最後に、成年後見支援センターの機能についてですが、成年後見支援センターには相談支援、広報・研修、担い手の育成の3つの機能があります。  1つ目の相談支援ですが、静岡市中央福祉センターに中核となる常設の相談窓口を設置し、市民の皆さんや地域包括支援センターなどの福祉関係者を対象に相談支援を行うとともに、弁護士等の専門職と連携した相談会も定期的に実施します。また、区ごとに相談窓口を設置することにより、市民の皆さんが身近な場所で気軽に相談できる体制を整備していきます。さらに、令和2年度秋に開催予定の仮称認知症ケア推進センターなど、関連する相談機関で成年後見制度の利用が必要なケースについては、成年後見支援センターにつなげるよう連携を強化していきます。  2つ目の広報・研修ですが、市民の皆さんや福祉関係者が成年後見制度の理解を深めるよう、講演会や研修会を開催します。  3つ目は、担い手の育成です。市民後見人養成研修を実施し、利用者に寄り添った支援を行う市民後見人の養成を行います。成年後見支援センターを開設することで、成年後見制度を利用する必要のある方が医療や福祉などの適切なサービスが受けられるよう支援していきます。 36 ◯健康長寿統括監(加藤正嗣君) 認知症高齢者に優しいまちづくりに向けた事業の成果と今後の取組についてですが、認知症高齢者に優しいまちづくりには、まずは認知症を正しく理解した上で地域で支える取組が重要です。認知症の理解者である認知症サポーターについては、令和元年度は1月末現在で3,447人が講座を受講し、延べサポーター数は約6万人に達しております。また、徘回等により行方不明になった認知症高齢者を見守る体制を構築するため、平成30年度から徘回認知症高齢者の捜索模擬訓練を実施しており、これまでに7カ所、約900人の方に御参加いただき、地域で支える意識が高まりつつあります。  今後も、これらの取組を一層強化するとともに、令和2年度は認知症本人や家族の困りごとの相談支援や関係機関との連携を行う、仮称認知症ケア推進センターや意思決定などの支援を行う成年後見支援センターを新たに開設し、取組を進めることで認知症に優しいまちづくりを推進してまいります。 37 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) がん対策と依存症対策の2つの御質問についてお答えします。  まず、がん対策推進のための計画策定と今後の取組についてですが、計画は令和元年7月に設置した静岡市がん対策推進協議会での意見を踏まえて、令和2年度末を目途に策定する予定です。計画では、本市のがん対策を総合的かつ計画的に推進するため、がん対策推進条例に基づき、予防と発症後のケアなどを基本とし、これらを実現するための施策や具体的な事業を盛り込んでまいります。さらに、計画の策定に先立ち、がん患者の治療と社会参加の両立を支援するため、医療用ウィッグなど、医療用補整具の購入費に対する助成制度を令和元年11月から実施しております。  これらに加え、令和2年度からは助成制度の対象を拡大し、新たに2つのメニューを追加します。  1つ目は、若年がん患者等ががん治療により生殖機能が低下または失うおそれがある場合に、治療の前に実施する生殖機能の温存に要する治療費を助成するものです。  2つ目は、がん末期の若年がん患者等が在宅療養生活を送る中で、居宅サービスを受けた場合等に要する経費に対して助成するものです。計画の策定と並行して、これらに取り組むことにより、がん患者へのさらなる支援の充実を図ってまいります。  次に、ギャンブル依存症対策についてですが、近年、全国的にギャンブル依存症への対策が課題となっている中、本市では他の政令市に先駆けて依存症の回復プログラムを平成29年10月から実施しております。このプログラムは、ギャンブル依存のメカニズム、ギャンブルがやりたくなったときの対処法など、全7回のプログラムをおおむね1カ月に1回、半年間ほど学び、ギャンブル依存からの回復を図るものです。  ギャンブル依存症は、当事者本人の自覚に乏しく、家族からの相談が中心になりがちですが、本市では本人がプログラムにつながるようホームページの案内に工夫を凝らし、その結果、令和元年度までの参加者数は合計90名を超えています。プログラムの効果については、終了時点での調査で修了者の約8割の方に1カ月以上ギャンブルをやめた、ギャンブルに費やす金額が減少したなどの大幅な回復が見られました。政府の調査では、ギャンブル等依存症が疑われる方は成人人口の0.8%と推計されております。本市においても引き続き、当事者の方々にプログラム参加を促し、ギャンブル依存症の改善に努めてまいります。 38 ◯消防局長(村田吉伸君) 「♯7119」の導入についてですが、救急安心センター事業「♯7119」については、総務省消防庁からの通知を受け、導入について本市を含む県下16消防本部で構成される静岡県消防長会にて協議を重ねてまいりました。その結果、総務省消防庁が示す県単位での運用が望ましいとの結論に至り、平成29年2月に16消防本部の総意のもと、県に対して導入促進を図るよう要望書を提出いたしました。その後、全国的に導入を求める声が高まったことから、令和元年11月に静岡県消防長会の総意として、県の財政措置を含めた導入の促進について再度要望書を提出したところです。  本市としては、引き続き「♯7119」の早期実現に向け、静岡県消防長会と連携して静岡県に要望してまいります。   〔14番山梨 渉君登壇〕 39 ◯14番(山梨 渉君) 意見・要望になります。  防災対策についてになりますが、昨年の台風19号は静岡市にも大きな教訓を残しました。毎年のように大きな被害を及ぼす風水害が続くとともに、以前より激甚化してきていることに多くの市民が、さらなる対策を求めております。徳川家康の薩摩土手に象徴される治水対策により、今日の静岡市があります。治水事業は、時間と費用がかかりますが、未来の静岡市発展への確実なる投資になります。防災・減災を市政の主軸においた市政運営をお願いしたいと思います。  続いて、新型コロナウイルスについてですが、これはもうまさに国難でもあります。国の対策に的確な対応をするとともに、必要に応じて市独自の対策強化も大事じゃないかと思います。予算化の必要があれば議会としてもスピーディーな予算執行に応じていくべきであると公明党は考えます。  今、市民が一番求めているのは感染が確認された方、感染が疑われる方への徹底した対策を取ってほしい。このことであると思います。感染拡大抑止策を徹底して講じ、市民が過度な不安を抱くことがないよう適切な情報発信、そして、経済的損出への対応も含め、危機意識を持った先手の対応を市長のリーダーシップでお願いしたいと思います。  幼児教育・保育についてです。  認定こども園への移行から5年が経過します。市立の認定こども園の質・量ともに強化されてきた市長の取組を高く評価したいと思います。これまでの取組、実績を踏まえ、認可保育所や私立幼稚園など、全ての子供たちを対象とした幼児教育・保育のさらなる質・量の向上が必要であると考えます。  公明党は、幼児教育・保育の無償化における実態調査を通して8つの施策コンセプトを掲げます。  質の向上として、幼稚園教諭、保育士の人材確保、任用と処遇の改善、遊び、学びの質を高める条件整備であります。受け皿整備として、ゼロ歳から2歳児の支援拡充と待機児童対策、利用者、事業者と行政とが連携する仕組みの再構築、障害児、病児を受け入れる施設への支援拡充、多様な幼児教育・保育施設への支援拡充、園と地域の特性に即した、きめ細やかな支援の拡充であります。これらのコンセプトを考慮しつつ、教育委員会、子ども未来局や関係機関と連携し、幼児教育・保育のあり方について議論を深め、教育先進市として静岡型モデルの構築に向け、期待をしております。  最後に、SDGsについてになります。  国連の示す行動の10年が、いよいよ始まりました。今後のSDGs施策を進める上で、今年は重要な1年になります。市長からもウイークからマンス、そして、シーズンにするということであります。新しい組織づくりにも挑戦するというお言葉もありました。次のフェーズを見据えた御答弁であったと思います。SDGsハブ都市としての誇りを行動でぜひ示していただきたい。そして、SDGsハブ都市会議の本市開催に、ぜひ挑戦していただきたいと要望を申し上げたいと思います。  最後に、公明党静岡市議会は、「世界に輝く静岡」の実現に向けて、大衆とともにとの立党精神を体現し、小さな声を聞く力を磨き、時代のニーズを捉え、的確に政策に反映すべく決意を申し上げ、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 40 ◯議長(遠藤裕孝君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時11分休憩    ───────────────────         午後1時15分再開 41 ◯副議長(亀澤敏之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、白鳥 実君。   〔38番白鳥 実君登壇〕 42 ◯38番(白鳥 実君) それでは、通告に従って創生静岡の代表質問を行います。  いよいよ東京オリ・パラリンピックが開催される2020年が幕を開けました。56年前の東京オリンピックを知る人は少ないと思いますが、1964年東京五輪では金メダル16個を含む計29個のメダルを獲得。特に印象深いことは、東洋の魔女、大松監督率いる女子バレー。昨年の大河ドラマ「いだてん」では、東京オリンピック開催に向け、悪戦苦闘する加納治五郎、金栗四三、田畑政治の姿が臨場感あふれた姿で描かれました。  本市の聖火リレーは6月24日夕刻、浅間神社をスタート。浅間通り、呉服町、駿府城公園をゴールとするコースが示され、期待感が高まってきました。  一方、武漢を拠点とする新型コロナウイルスは、イベント、経済への影響も拡大し、今後は開催地のみならず国、県、市の連携した取組が求められます。まず、市の対応を強く要望しておきます。  それでは、初めに、(1)市長の令和元年の総括と10年後の静岡像について。  昨年12月、市長は1年を象徴する漢字1文字を「越」としました。いろいろなことを乗り越えてきた1年を強調、昨年の市政の出来事では、激戦を制した市長選挙、発掘調査による発見のある一方、清水庁舎位置の変更議案等、議会の判断と市民意識の違いが明らかになるなど、課題も多く積み残した1年と感じております。「越」には、越える、越えた、越えたい、否定的な意味では、越えがたかったとなりますが、あえて「越」を選んだ理由はどこにあったのか。  まず、市長に2点。  1点目に、市長として、また、政治家として令和元年をどう総括したのか。象徴する漢字「越」に込められた意味は何か。  2点目に、市長は講話でよく、理想を掲げて、今、何をすべきかを説いていますが、10年後の静岡市を見据えて新年度どのようなかじ取りをしていくのか。また、10年後の静岡市を担う職員に求めるものは何か、伺います。  次に、(2)新年度予算の編成・財政見通しについて。  昨年末、第2期総合戦略で方針転換が示されました。2025年70万人維持の目標は総合計画に残すものの2017年、推計人口70万人を割り込み、5年間の社会動態人口は2,000人減、第1期の目標6,000人増を大きく下回る見込みとなり、交流人口、関係人口の増加に修正とのことであります。そんな中、市長は当初予算案を未来への加速予算と名づけ、公共投資を呼び水に民間投資を促す。厳しい財政事情だが、投資額を400億円に乗せたと、投資的経費に重点配分したことを強調されました。  そこで、2点。  1点目に、第3次総合計画を踏まえ編成した令和2年度当初予算の特徴は何か。特に、令和2年度は東京五輪開催という世界的なイベントが予定されているが、本市ではそれに合わせてどのような事業が予算に盛り込まれたのか。当初予算案で50億円の財源不足が生じ、今後の財政運営が心配されます。新年度から箱物と言われる公共投資がめじろ押し。一方で、痛みを伴う財政削減も必要になってくると思われます。
     2点目に、財政の中期見通しにおいて投資的経費をどのように見込んでいるのか。また、大規模事業を進めることによって多額の整備費や維持管理費が発生することとなるが、今後どのように対応していくのか、伺います。  次に、(3)地方創生について。  国では、これまでの取組を評価検証し、昨年第2期総合戦略を策定。引き続き、地方創生に取り組むとのこと。本市においても、これまでの実績や国の総合戦略等を勘案して、第2期総合戦略を策定していますが、地方創生として新年度に取り組む事業は何か。また、どのような成果を期待しているのか、伺います。  次に、地方分権について。  今回、国の補助金要綱が明確に示されないまま、GIGAスクール構想が示されたことで地方が猛反発。本県でも県市長会で真の地方分権実現の決議を全会一致で決定。公立・公的病院の再編成などの重要な政策が、地方と十分な協議がないと指摘、地方分権の趣旨に基づいた施策が実行されるよう求めました。会派では、地方創生と地方分権は、あくまで地方に視点を置いて進められるべきと考えております。政令市として地方分権に何を求めるのか。ここで、地方分権の推進を図るため、どのような取組を行っているのか、伺います。  次に、広報戦略について。  施政方針では、市長から広報の力でまちづくりに役立つ行動をしたくなる人を増やしていきたいと、伝わる広報への期待が示されました。  そこで、情報発信力の強化に向けて、民間出身の戦略広報監を起用することにより、静岡市の情報発信はどのように変わるのか、伺います。  次に、本市の働き方改革について。  市職員の取組では、本年度フリーアドレスの導入、テレビ会議システムの導入など、職員からも好印象とのこと。一方で、民間では人手不足等の理由から取り組む余裕がないとの声も聞いております。  そこで、令和元年、2年度の庁内の取組とその効果をどのように考えているのか。また、企業に対し、当施策への支援はどのようなものか、伺います。  次は、大項目2、防災対策と新清水庁舎。  (1)防災協定を締結した団体との連携について。  災害ボランティアが注目されたのは、阪神・淡路大震災からでした。以来、中越、東日本ではボランティアの活躍が大きな力となりました。一方、ボランティア活動は無償が基本とはいえ、交通費や宿泊費など、経済的負担を理由に二の足を踏むケースもあると聞いております。静岡県ボランティア協会では、15万円を上限にバス、レンタカーの借り上げ費用や燃料費の助成を始めました。防災協定を締結した団体においても費用負担も重要で、緊急の行動ありきの事態では、日頃の基本的合意が不可欠であると考えます。  そこで、2点。  1点目に、令和元年現在、どの程度の団体と協定を締結しているのか。また、通常時、協定締結団体とはどのようなやり取りをしているのか。  2点目に、近年、水害で被災地に物資を提供したと聞いていますが、どのような手続で行ったのか、伺います。  次に、水道事業の防災体制について。  上下水道局では2月3日、19大都市水道局災害相互応援に関する覚書に基づき、川崎市上下水道局、神戸市水道局との相互応援訓練を実施しました。大規模地震発生の影響で市内の避難所が断水したとの想定による訓練などを通じ、協力体制を確認したとのことです。  そこで、2点。  1点目に、大規模災害発生時における相互応援の枠組みはどのようになっているのか。  2点目に、南海トラフ巨大地震等で本市が被災した場合、どのように対応するのか、伺います。  次に、(3)新清水庁舎建設の今後の対応について。  2月28日、報道各社から「清水庁舎 民間施設削除」「公募ゼロで条件変更」が流れました。業者の聞き取りの中で、交流人口が見通せない現時点では、商業施設を整備する条件が事業者参入にはネックになるとのこと。にぎわいづくりと説明してきた根拠との整合性に大きな疑問が生じてきました。また、津波対策として採用するピロティー形式の安全性についても、いまだに疑問の意見が述べられております。岩田教授は、津波は泥水だけではなく、瓦礫や油、コンテナ等、渦状に流れ込んでくると指摘しています。  ここで、2点。  1点目に、清水庁舎の津波対策として採用するピロティー形式の安全性について、市はどう考えているか。  2点目に、PFI手法による整備について入札公告に対し、応募者がなかった理由と再度、入札公告をするに当たり変更する点は何か。再公募時期も含めてお答えください。また、新聞記事を見る限り、今日までの議会説明とは整合性が取れないと考えますが、市の考えはどうか、伺います。  次に、現在、住民団体が清水庁舎移転の賛否を住民投票でとの住民投票条例制定請求に関わる署名収集活動を展開中ですが、受認者の数も3,000人を超え、大きな波となってきております。議会提案とは大きく違い、住民の意思による請求は今日の制度の中で最大の意味を持つものとなります。  そこで、改めて住民投票制度に対する認識と署名収集活動が開始されたことに対する受け止めはどうか、伺います。  次は、大項目3、文化施設等の整備と活用。  (1)海洋文化施設について。  仮称海洋・地球総合ミュージアムは、国際海洋文化都市のブランド化、にぎわい創出、海洋研究、教育や人材育成等、期待が集まる中、民間事業者の公募が遅れ、供用開始も11カ月の遅れが明らかになりました。市は、2月中に東海大と運営に関する協定を結び、一昨日、事業者の公募を開始しました。一方で、財政に与える影響が懸念され、大規模改修など、将来的経費の試算も示されないままのスタート。統括監はさきの答弁で、導入方針を示した入館者の需要変動によるリスク分担により入館料収入が予測を下回った場合、市の負担が最大10億8,000万円増える可能性を明言。新たに契約時に決めた入館料収入から10%以上の差が出た場合、利益や損失を折半する案も示されました。  そこで、需要変動リスクについて施設整備で事業者グループが懸念する入場者数の予測が難しいとの声に対し、市が導入したプロフィットシェア、ロスシェアに至る経緯と制度概要を伺うとともに、需要変動が生じた際に、具体的にどのような分担方法を考えているのか、お答えください。  次に、海洋文化施設の今後について。  市民感覚では、いまだに唐突感が強いと感じています。  そこで、経済波及効果について数字上の答弁はありましたが、今後、本市が目指す国際海洋文化都市に向け果たしていく役割や周辺への波及効果をどのように考えているか、伺っておきます。  次に、本施設展示には東海大学やJAMSTECのコンテンツを活用とのこと。そのうち、東海大学には水族に関する飼育、管理を担ってもらうとのことですが、JAMSTECとの連携は、今後どのように進め、施設へ生かされていくのか、伺います。  次に、アリーナ整備について。  築42年を迎える静岡市民文化会館について、1月末、コストや休止期間などを考慮し、大規模改修との方針が示されました。17年度からアリーナへの建替えの検討が行われた経緯を踏まえますと、今後は迅速な対応が求められます。一方、アリーナ誘致については、市長から東静岡駅前の市有地を有力候補地として検討することが明言され、新年度調査費2,800万円が計上されています。今後は、現存する県施設との位置づけをどうするかの課題も想定されます。  そこで、4点伺います。  1点目に、アリーナと市民文化会館とのすみ分けをどう考えているか。  2点目に、県施設との二重投資との指摘もあるが、近隣の県有類似施設との重複についてどのように考えているか。  3点目に、アリーナ整備に向けて民間企業へのヒアリング等が行われたとのことだが、本年度の取組による成果と課題はどのようなものか。  4点目に、来年度はアリーナ整備をどのように進めていくのか、伺います。  次に、駿府城跡天守台発掘調査の成果について。  2016年から始まった発掘調査、18年に確認された天守台が南北68メートル、東西61メートルと、江戸城を超える大城であったこと。8月には、豊臣方の天守台跡及び金箔瓦330点の発見、本年は秀吉の城に小天守を発見、慶長期、天正期の天守台発掘は、まさに歴史ファンを魅了する出来事となりました。今後の野外展示に期待するところですが、金沢城では城郭を石垣の博物館として紹介、石垣も防御と優美さの要素を兼ね備えているのが金沢城の特色で、見せる石垣の展示のありようが重要とのことであります。  そこで、2点。  1点目に、発掘調査の成果をどのように評価し、今後どのように観光につなげていくのか。  2点目に、ファンには胸がわくわくする発見であり、天守台の様々な憶測はさらに論争を起こすことで、駿府城への関心を高めるなど、今後、ファンを引き込む企画の検討も必要と考えます。  そこで、発掘調査の成果を活用した市民の関心を高める取組はどのようか、伺います。  次に、歴史文化施設について。  一昨年、名古屋市の徳川美術館を伺い、館長と意見交換を行いました。大御所時代の駿府のお宝も展示され、本物の展示品のオーラを浴びて、珍しく次の予定も忘れ、魅了される時間を体験いたしました。市民の学術の拠点を目指すとのことでした。  本市では、江戸時代の道の遺構が発見されたことにより、22年秋以降の開館予定で、家康公研究室の設置など、今後、多様な検討が求められます。  そこで、2点。  1点目に、歴史文化施設に展示する資料の収集状況はどうか。  2点目に、新たに発見された遺構をどのように展示し、活用していくのか、伺います。  次は、大項目4、観光施策の推進。  (1)観光施策の発信と交流人口増について。  1月15日、中国テコンドー五輪チームが強化合宿のため来静されました。日本テコンドー協会の組織騒動のあおりで、急遽、民間の方を通して打診があり、NPO団体の計らいでツインメッセを会場に2週間滞在、寺澤議員の協力で市内生徒との交流が実現。静岡浅間木遣保存會の演技、餅つきで歓迎会も開催され、創生静岡もおもてなしの一端を経験いたしました。  そこで、2点。  1点目に、観光施策全般を通じて、本市をどのように発信し、交流人口につなげていくか。  2点目に、オリ・パラリンピック開催に合わせたPRについて、首都圏アンテナショップは白紙となりましたが、オリンピック開催に合わせて本市をどのようにPRするのか、伺います。  次は、大項目5、共生のまちづくり。  多文化共生について。  近年、外国人の増加により多文化共生が重要な施策となってきました。社会や地域のルールに不慣れな外国人が生活するためには、必要とする情報の提供が必要となります。また、学校現場では昨年末、調査の結果、学校給食での宗教的配慮が必要な児童生徒が33人いること。市長から、令和2年度中に何らかの対応をしていくことが示され、課題への取組が期待されております。  そこで、2点。  1点目に、静岡市の外国人住民数の状況はどうか。また、生活情報の提供はどのように行われているのか。  2点目に、宗教上、食べられないものがある児童生徒への給食について、具体的に来年度はどのような対応が取られるのか、伺います。  次に、各団体では自国の文化、料理や伝統舞踊など紹介する活動が行われております。多文化交流を推進するためには、市と諸団体との連携が重要であります。昨年、駿河区広野に開設されたイスラム文化センターが地域の中で理解されていくためにも、交流機会の場が必要と考えます。  そこで、開設されたイスラム文化センターに対する認識と期待はどのようなものか、伺います。  次に、人権施策の推進について。  在住外国人や高齢者、障害者への対応、LGBTなど、人権は身近な課題となってきました。また、小中学校の教育現場でも、いじめ問題や在住外国人児童、障害を持った児童への対応等、人権に係る課題と見ることができます。  そこで、2点。  1点目に、本市では人権施策の取組をどのように進めているのか。  2点目に、学校における人権教育はどのように行われているのか。また、今後どのように進めていくのか、伺います。  1回目の最後に、著しく変化する社会を生き抜く子供たちを育成するため、教育の果たす役割は非常に重要であります。  そこで、令和の時代に入り、社会が大きく変化していく中、静岡市の子供たちを教育委員会としてどのように育てていきたいと考えているか、小中学校における教育方針について伺って、1回目の質問といたします。 43 ◯市長(田辺信宏君) 私から、大項目、新年度の予算編成・財政見通しと地方創生に向けた静岡市の取組のうち、市長の令和元年の総括と10年後の静岡像について、2つの質問にお答えをいたします。  まず、市長として令和元年をどう総括したか、1年を象徴する漢字として選んだ「越」に込めた意味は何かについてであります。  令和元年流行語大賞を取った「ONE TEAM」、ワンチームになるためには、それぞれの立場の違いを乗り越えていくという作業が不可欠であります。例えば市役所の中においても、局と局、立場の違いはあるけれども、市民のバリューに応える形で取り組んでほしいという局間連携、あるいは公共セクターである行政と民間セクターである各企業、経済界も立ち位置は違うけれども、例えば、今川顕彰500年という共通のバリューに向かって官民連携をしていこうとか、政令指定都市になって10年、4つの市町が合併をした都市、蒲原町、由比町、清水市、静岡市、それぞれの歴史は違うけれども、それを1つの静岡にして世界に挑んでいくんだということに挑戦をしています。それが、「越」に込めた意味であります。  私は、平成31年の4月の市長選挙で再選を果たし、山積する行政課題を乗り越え、世界に輝く静岡を必ず実現させるという強い決意を持って3期目の市政運営をスタートさせました。その決意の下、まずは、マニフェスト──公約に掲げた就任100日以内に取り組むという、いわゆる100日プログラム。わくわく給食の実施、市長ミーティング室の開催、そういったものを皮切りに、これを起爆剤にして任期中に公約をした3次総、5大構想の実現に向けて、重要なプロジェクトに取り組んでまいったつもりであります。  その5大構想にあっては、一つ一つ大変大きな行政課題で、険しい道のりであります。乗り越えていくという1つの大きな山があります。そういった中で、3歩進んで2歩下がる。こういう困難な課題も確かにあります。ミクロに2歩下がった状態を見れば、乗り越えていないじゃないかという御意見を頂く場合もありますが、マクロに見れば、3歩進んで2歩下がる。1歩ずつ着実に、乗り越えていくぞというのが私の決意であります。議員御指摘の新清水庁舎や海洋文化施設の整備という大変難しい行政課題も着実に、一歩ずつ進めていくつもりでございます。  次に、10年後の静岡市を見据えて、新年度どのようなかじ取りをしていくのかと、求める職員像は何かについての御質問です。  10年後の2030年というのは、本市が取り組んでいるSDGsが掲げる目標達成年次であり、さらには、令和5年度からスタートをする第4次静岡市総合計画の最終年度にも当たります。施政方針でも申し上げましたとおり、この2年間の本市の取組によって、市民の皆さんのSDGsの認知度は飛躍的に高まり、民間においても先進的な企業などを中心に経済性と社会性を両立して、SDGsに対する当事者意識が芽生え、それをビジネスチャンスにつなげる動きも加速をしております。私は、現在の状態がさらなる進化を遂げ、市民一人一人が常に、SDGsを意識して、小さな行動を積み重ねていく姿、また、市政運営においてはSDGsの視点を組み込んだ4次総に基づく施策展開を進めるとともに、連携による新たな公共経営を具現化できている姿、これを2030年の静岡市、言い換えれば、世界水準の世界に輝く静岡として思い描いております。この都市ビジョン、目指すべき姿を目指して、市政を長期的に展望し、将来の静岡市民の皆さんに評価していただけるかどうかという、つまり10年後、20年後の市民の皆さんに、ああ、令和の始まりのときに静岡市政は3次総、5大構想に取り組んでよかったなと歴史に評価していただけるような、そんな市政に現在取り組んでいる心構えであります。  一方で、私自身がそう思っても、1人の100歩ではなくて100人の1歩であります。実際にこれから何十年にわたり持続的な行政運営に力を注いでいくには、職員一人一人の、しかも、これから私たちよりも何十年もこの静岡市役所を担っていく職員の力なくしては、目指す姿を実現することはできません。  そこで、議員から御質問いただいた、私が考える理想の職員像ですが、大きく2点あります。  1つは、法令遵守、ルールを守るということであります。それとともに、市民から寄せられる価値、要望などいろんな思いがありますが、その市民から求められる価値、バリューを実現をさせるルールとバリューの両立を目指した強い気概を持った職員が理想であります。そのルールとバリューが同じ方向性であれば、それはいいわけでありますが、時には法令、ルールというものと市民が求める現場の価値というものが二律背反の場合があります。しかし、ルールがこうだからできないではなく、よし、どうやってこのルールを運用していけば、あるいは法改正、条例改正をして解釈を変えていけば、ルールとバリューの両立ができるというクリエイティブな発想を持った職員が不可欠であります。  2つ目は、市役所は人事異動も激しく、この職場に自分は3年いるのか、2年いるのか。その3年だけで考えるのではなくて、例えば10年後所属長だったら、自分はどこを目標にするのかを、まず決めて、よし、じゃ、10年後、この課でこういうバリュー、目標を達成しよう。自分が与えられたその最初の年月はそれに向けてどう近づけていくのかと、いわゆる新しい公共経営のバックキャスティングという考え方でありますが、この思考を持って、中長期的に自分の立場を意識し、大局的な立場で政策立案ができる。しかも、小さな声を大切にするといいますか、市民に寄り添ったきめ細やかな目線で実行に移していくという職員が2つ目の私が求める職員であります。  私は至るところでそういったことを、職員に伝えているつもりであります。このような職員が1人でも増えることによって、静岡市民の皆さんから信頼され、世界基準に照らし合わせても輝きを放つ静岡市が実現できるものと確信しております。  今後も職員と一丸となり、さらには官民の垣根をも超えたONE静岡の精神の下、全力で市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。 44 ◯財政局長(川崎 豊君) 予算編成と財政見通しに関する2点の御質問にお答えします。  まず、当初予算の特徴と東京2020大会に合わせて、どのような事業が予算に盛り込まれているかについてですが、令和2年度当初予算は「世界に輝く静岡」の実現に向け、5大構想を実現するための施策に予算を重点配分するとともに、将来にわたる地域経済の活性化に向け、人口活力の維持、持続可能なまちの実現を図る取組や安心・安全な社会の構築を目指し、教育・子育ての充実、災害対応力の強化などの取組を予算に反映しました。特に、東京2020大会に合わせた事業としては、世界に向けて本市の魅力発信を強化し、交流人口の増加を図る事業を予算に盛り込んでおり、具体的には台湾、スペイン、モーリシャスの事前合宿の受入れや競技会場の臨場感を体験できるライブサイトの開催などで、総額は約1億4,800万円となっております。  次に、財政の中期見通しにおける投資的経費の見込みと大規模事業の整備費や維持管理費への対応についてです。  財政の中期見通しの投資的経費は、第3次総合計画後期実施計画を踏まえ推計したもので、歴史文化施設、海洋文化施設や新清水庁舎の整備のほか、沼上清掃工場の基幹的設備の改修などの大規模事業を盛り込んでおります。その結果、令和3年度から5年度までの3年間で投資的経費は年467億円から486億円の規模で推移すると見込んでおります。その整備費や維持管理費への対応としましては、市税等の自主財源の確保、事業の選択と集中による予算の重点化や平準化、既存事業のスクラップ・アンド・ビルドなどの行財政改革やアセットマネジメントの実施などにより、必要な財源の確保に努めてまいります。 45 ◯企画局長(前田誠彦君) 地方創生として新年度に取り組む事業、効果と地方分権の推進の2点についてお答えします。  まず、地方創生として新年度に取り組む事業とその効果についてですが、第2期総合戦略の策定に当たり、第1期における取組を検証するとともに、取り組むべき事業を検討してまいりました。例えば、就職活動の拠点を自宅に置き、地元就職につなげることを目的に始めた新幹線通学費貸与事業については、令和2年度から新たに貸与管理システムを構築し、増加する利用者に対して迅速かつ適切な事務処理を行う体制を整えます。また、本市の地域資源であるお茶について、新たな価値や需要を掘り起こす、海外から茶で稼ぐお茶のまち静岡市推進事業や、AI相乗りタクシーなど誰もが利用しやすい新たな移動サービスを提供する静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトなどにも取り組み、人口活力の維持及び持続可能なまちの実現に資するという効果を期待しております。  次に、地方分権の推進を図るため、どのような取組を行っているかについてですが、まず、権限移譲については、これまで同じ指定都市である浜松市とともに積極的に取り組んできたところであります。また、平成26年から開始された新たな分権改革の取組である国への提案募集方式については、毎年度、指定都市20市による共同提案を行っているほか、本市単独による国への提案に向けて平成30年度から内閣府の職員を講師に招いた研修を実施しています。令和元年度の職員研修では、全ての部局から163名の職員が参加し、地方分権の基本的な知識を習得する座学にとどまらず、日常業務における制度的な課題を持ち寄った実践的なワークショップを実施したことにより、多くの職員の地方分権に関する理解を深めることができました。  今後も、住民サービスの向上につながる事務権限の委譲や国への提案募集方式の活用などにより、地方分権の推進を図ってまいります。 46 ◯総務局長(豊後知里君) まず、民間出身の戦略広報監の起用により、市の情報発信がどのように変わるかについてですが、大手民間企業で培われた戦略広報監のスキルや経験を大いに活用し、少し難解で理解しづらい行政の情報を、受け取る側の目線に立ち、シンプルで、かつ自分に価値のあものとして受け入れられるよう、表現を工夫して伝える広報として発信してまいります。  次に、職員の働き方改革の取組に関する3点の質問にお答えいたします。
     まず、令和元年度の取組についてですが、主なものとして、次の4点を実施しております。  1点目は、出先等においてインターネットが使えるノートパソコンを利用したモバイルワーク勤務の実証。  2点目は、会わなくても打合せができるテレビ会議システムの導入。  3点目は、執務室内において自分の座席を自由に決めて働くフリーアドレスの導入。  4点目は、職員の業務を効率化するRPAツールの実証です。  次に、令和2年度の取組についてですが、元年度の取組を拡充し、継続して実施していきます。特にモバイルワーク勤務の実証に関しては、出先からも庁内システムが利用できるように機能改善を図ります。それと同時に、在宅勤務制度を施行し、子育てや介護のために、働く時間に制約のある職員が働きやすい環境を整えます。  最後に、取組に関する効果についてですが、これらの取組を通じて個々の職員がその能力を発揮しやすい環境となることで、より質の高い市民サービスが提供できるものと考えております。  すみません。先ほど、1つ目の御質問で、最後に、自分に価値のあるものとして受入れられるよう、表現を工夫して、伝わる広報でした。私、伝える広報と読み間違えてしまいました。表現を工夫して伝わる広報として発信してまいります。 47 ◯経済局長(池田文信君) 企業への働き方改革につながる支援についてですが、本市では、働き方改革に取り組む企業の活動を広げていくために、その取組のプロセスや効果等を発信しています。  まず、働き方改革に取り組む企業の課題解決のため、社会保険労務士等の専門家を派遣し、課題解決のロールモデルを構築しました。具体的にはIT機器の導入で業務を効率化し、時間外労働を削減した取組などがあり、それらを冊子にまとめ、広く周知したところです。また、女性をはじめ、多様な人材が働きやすい環境づくりに積極的に取り組む企業を表彰し、その取組を市のホームページや情報誌などで紹介して他の企業の取組につなげています。  今後も、こうした好事例を発信することで働き方改革に取り組む企業の裾野を広げていくよう、より一層努めてまいります。 48 ◯危機管理統括監(海野剛幹君) 初めに、災害時の応援協定締結団体に関してですが、本市では現在85の団体や事業者等と災害時における応援協定を締結しております。平常時には緊急時の連絡体制を構築するとともに、発災後の応援体制を協議しております。  静岡県と共同で実施した平成30年度の総合防災訓練では、協定団体も含め、104の企業、団体等に参加いただきましたが、日頃からの連携により多くの団体等との事前調整が円滑に行われたと考えています。また、建設や福祉、医療などの業界団体とは、それぞれの所管部局との間で定期的に打合せを行い、相互に訓練に参加するなどの取組を行っております。  今後も、協定を随時見直すことや定期的な協議を継続するなどで、より実効性のある関係づくりを進めてまいります。  次に、被災地への物資の提供手続についてですが、平成30年度に発生した西日本豪雨災害では、岡山県の倉敷市から毛布や食料の支援要請を受けました。緊急の対応が必要なため、休日ではありましたが、応援協定を締結する静岡県トラック協会に物資の輸送を要請し、翌日には市が備蓄する毛布や食料を被災地に送り届けることができました。これも、緊急時の連絡先や備蓄倉庫の所在地を事前に連絡していたことが迅速な対応につながったと考えています。また、令和元年10月の台風19号においても、福島県相馬市からの要請に対して、同様の手続を行い、水のペットボトルを提供しています。  なお、事業者への費用負担については、適切な支払いを行っております。 49 ◯上下水道局長(森下 靖君) 水道事業の防災体制についての2点の御質問にお答えいたします。  まず、大規模災害での相互応援についてですが、水道事業では大都市間と日本水道協会での2つの枠組みがあります。  1つ目は、政令市を中心として構成される19大都市水道事業体による相互応援を行うもので、災害時に大都市間や関係機関との連絡調整などを行う応援幹事都市と応援に駆けつける順位があらかじめ定められております。本市が被災した場合は、川崎市が応援幹事都市の第1順位、神戸市が第2順位となっております。  2つ目は、全国の水道事業体が加入する日本水道協会による相互応援で、災害発生時に給水活動、応急復旧活動などのために水道事業体の規模を問わず、相互応援を行います。県内の事業体だけで対応できない場合は、名古屋市を支部長とする中部地方支部及び日本水道協会本部により広域での相互応援体制が構築されております。  次に、本市が被災した場合の対応についてですが、まず、大都市間の相互応援の枠組みとして、本市の応援要請に基づき、応援幹事都市第1順位の川崎市が応援に入りますが、震度6強以上の地震で被災した場合は、本市の応援要請を待つことなく駆けつけます。そして、本市対策本部に川崎市が加わり、被災状況を把握、必要とする応援内容などの検討を行い、日本水道協会へ応援要請をするとともに、国、静岡県へ被災状況等を報告することとなります。応援要請を受けた日本水道協会は、全国規模で水道企業体の割り振りを行い、これにより出動要請を受けた応援水道事業体は、門屋浄水場などの主要な水道施設に集結します。応援水道事業体は、避難所の位置や道路情報について、本市対策本部の指示を受け、給水活動や漏水調査、さらには管路の応急復旧を行うことになります。  このような発災時には、初動対応が重要であるため、川崎市とは毎年交互に乗り入れて訓練を実施しており、今年度初めて神戸市も加わり、本年2月に3日間、本市において3都市合同相互応援訓練を実施いたしました。 50 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) 新清水庁舎のピロティー形式の安全性についてですが、一般的に建物全体の安全性については、建築基準法に規定する耐震基準に適合していることを構造設計において確認します。構造設計は、柱やはりなどの構造に係る部分を設計するものです。とりわけピロティー形式に関しては、この構造設計に関して特に留意すべきものとして、国土交通省が監修した建築物の構造関係技術基準や静岡県の静岡県建築構造設計指針など、技術的な指針等に従い実施します。  新清水庁舎では津波を受け流す構造としてピロティー形式を採用しますが、このような国等が示す基準や指針に基づき適切に設計していくことにより、建物の安全性を確保できると考えています。これに加え、防災上の観点から新清水庁舎では国土交通省の官庁施設の総合耐震・対津波計画基準に基づき、建物の揺れを小さくすることができる免震構造を採用することで、想定される大地震においても業務継続ができるようになると考えております。  次に、新清水庁舎の入札の再公告と説明の整合性についてですが、昨日、後藤議員に答弁させていただいたとおり、民間事業者へのサウンディング調査の結果、新清水庁舎と立体駐車場の整備については課題がありませんでしたが、民間施設の整備については周辺の開発が具体的に実現する時期に合わせたほうが参画の意欲が高まるという声が多く聞かれました。このことから、令和4年度の新清水庁舎完成と、それ以降に予定されております周辺施設のオープンや庁舎建設地周辺の民間未利用地の開発の可能性を見据え、よりJR清水駅周辺のにぎわいづくりに資する民間施設を誘致するため、再公告においては新清水庁舎と立体駐車場の募集のみを行い、民間施設は別途誘致いたします。  なお、新清水庁舎建設基本構想及び基本計画において示した庁舎、駐車場、民間施設の3つで一体的ににぎわいを生み出していく方針に、これまでの説明と同様、変わりはありません。  再公告の時期につきましては、令和元年度中を目指したいと考えております。また、民間施設は別途誘致することとなりますが、これは附帯事業として提案を求めていた市の財政負担を伴わない民設民営のものであるため、新清水庁舎整備の予算に影響はありません。 51 ◯企画局長(前田誠彦君) 住民投票制度に対する認識と署名収集活動が開始されたことに対する受け止めについてですが、住民投票制度は間接民主主義制度を補完し、住民の総意を的確に把握するための制度として認識しており、静岡市自治基本条例においても、市長は、市政の特に需要な事項について、広く住民の総意を把握するため、住民投票を実施することができると規定しているところであります。  今般の市民団体による署名収集活動については、住民投票実施に向けた手続の1つであり、その推移を見守ってまいりたいと考えております。 52 ◯海洋文化都市統括監(山本高匡君) 海洋文化施設の見通しについての3つの御質問にお答えいたします。  最初に、需要変動リスクの分担を導入した経緯と仕組みはどのようなものかについてですが、これまで海洋文化施設の整備運営事業に関心を持つ複数の事業者へのヒアリングを実施する中で、本施設は他に類のないミュージアムであること、周辺開発がどこまで進むのか見通せないといった要因から、入館者の予測が難しいとして、公募への参加をためらう声が数多く寄せられました。  こうした事業者の需要変動に対する懸念を可能な限り払拭し、事業への参加を促すため、需要変動リスクを設置者である市と事業者の両者で分担するロスシェアという仕組みを導入することといたしました。具体的には、契約時に市と事業者が合意した毎年度の想定入館料収入を基準として、10%以内の収入減については事業者の責任で対応する一方で、10%から40%以内の収入減の場合には、市と事業者が負担を折半いたします。  しかしながら、本市といたしましては、日の出地区は静岡県による上屋の商業利用、民間による歴史的倉庫群などを生かした開発が計画されているほか、クルーズ船の寄港増加が見込まれ、観光交流客数増加の可能性が高い地域と認識しております。このようなことから、基準となる入館料収入を上回ることは十分に可能であり、上振れの10%から40%以内の増収については両者で折半し、40%を超える増収については事業者の運営意欲に配慮し、増収額の2割を市が得ることができるプロフィットシェアも導入することといたしました。  続いて、海洋文化施設が将来的に果たしていく役割や周辺への波及効果についてでございます。  静岡市海洋文化拠点施設基本計画において、施設のミッションとして、次の4つを掲げております。  1つ目は、「国際的な集客と賑わい創出」です。日の出地区では、本施設の整備に合わせて民間の開発関係者や観光、交通等の事業者が既に周辺開発の検討を始めております。また、クルーズ船会社からも本施設が寄港地の強みになるという声を頂くなど、本施設の整備によってもたらされるにぎわいが周辺にも波及していくと見込んでおります。  2つ目は、「海洋文化を拓く研究・教育促進」です。本施設は、駿河湾に関する最新の研究成果の展示を行うことになるため、駿河湾の研究活動のさらなる活発化や連携する東海大学やJAMSTECによる海洋教育の充実が期待されます。  3つ目は、「海洋産業の振興と経済波及」です。本施設において東海大学とJAMSTECとの連携が深まることにより、両者の研究成果を活用した商品、サービス開発、両者の研究、調査活動が求める技術、製品の開発、さらにはその取組の観光産業化など、新たな海洋関連産業・ビジネスを海洋産業クラスター協議会の活動などを通じ、生み出していきたいと考えております。  最後は、「国際海洋文化都市としてのブランド化」です。本施設が国際的集客や駿河湾研究などの拠点施設としての認知度を高めることにより、例えば、昨年実施しましたマリンバイオテクノロジー学会や2021年に開催予定の国際深海生物学会のような海洋国際会議のさらなる開催が想定されるなど、国際海洋文化都市としてのブランド化に大きく寄与するものと考えております。  最後に、JAMSTECとの連携がどのように進み、海洋文化施設に生かされていくのかについてです。  JAMSTECとの連携協力は、東海大学との連携と並んで、本施設の展示作成において重要な要素と考えております。  そこで、令和元年11月に締結した静岡市海洋文化拠点施設の学術コンテンツの集積に係る協力に関する覚書に基づき、施設に展示する最新の研究成果や映像等を提供していただくほか、展示内容についての監修にも御協力を頂く予定です。また、JAMSTECからも本施設を使って研究活動や成果の発信ができることを期待していただいており、本市とJAMSTECの双方にメリットをもたらす連携を図ってまいります。さらに、本施設の外においても、先ほど申し上げました駿河湾研究、海洋産業創出、海洋関連学会誘致に加え、清水港における地球深部探査船「ちきゅう」の活動拠点化などの連携を図り、本施設はそれらの活動、発信を担うシンボル的な場所になるものと考えております。 53 ◯公共資産統括監(吉井博昭君) アリーナと市民文化会館のすみ分け及び近隣県有施設との重複をどのように考えるかについて、併せてお答えいたします。  本市が現在検討を進めておりますアリーナは、これまでに開催の機会が少なかったプロスポーツの観戦や大規模コンサートを観賞できる観るアリーナです。一方、現在の市民文化会館は、演劇や音楽といった芸術文化の拠点として、市民の皆さん自らの文化活動の発表の場として主に活用されております。また、県有施設であります、このはなアリーナは県民スポーツの拠点として、各種スポーツ大会や教室など、体育館として主に県民の皆さんが利用されている施設であり、グランシップは文化創造と交流の拠点として、各種学術会議や展示、式典などで主に利用される施設であります。これらのことから、本市が目指すアリーナは、それぞれの施設の目的や主たる利用方法と重複しておらず、すみ分けがなされているもの考えております。  次に、本年度の取組の成果と課題及び来年度はどのように進めていくのかについて併せてお答えいたします。  本年度は、アリーナの先進地事例調査や民間事業者へのヒアリングを進めてまいりました。先進地事例調査では、アリーナがまちのにぎわいに貢献している事例を確認しており、民間事業者へのヒアリングでも本市の商圏人口などから興味を示す民間事業者が複数存在することを確認しております。一方、これらの調査を通じ、民間主導によるアリーナの実現には市民意識の醸成や行政の積極的な関与が必要であることを認識したところです。来年度はワークショップなどを通じ、アリーナに関する市民の皆さんの意見を踏まえ、建設地決定に必要な騒音や振動、交通等の影響調査とその対応策や行政の果たすべき役割を明確にした上で、最終的な建設地を決定してまいります。 54 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) 天守台の発掘調査ほか、計6点の質問についてお答えします。  発掘調査成果の評価と、どのように観光につなげるかということですが、4年間の発掘調査では議員の御質問にありましたとおり想定以上の成果があり、中でも特筆すべきことは、2つの天守台の発掘により、謎に包まれていたこの時代の駿府城の姿を知る手がかりが得られたことで、日本の城郭史における重要な発見となったと評価をしております。築城当時の石垣は、学術的な価値があるというだけでなく、ここへ来なければ見ることができないものであり、多くの皆さんが本市を訪れるきっかけとなるものです。現在、駿府城への注目は全国レベルで高まっていることから、現場公開や発掘調査成果の報告会などを継続しながら、その後の野外展示化へつなげていきます。この野外展示で天守台の大きさを体で感じ、東御門、巽櫓で駿府城を学び、歴史文化施設で家康の一生を知る。そして、市内観光へ繰り出すというように、駿府城エリアを一体に捉えたフィールドミュージアムを起点として、さらなる観光誘客につなげていきます。  次に、発掘調査成果を生かした市民の関心を高める取組についてですが、これまで発掘調査の見える化を進め、現場の常時公開のほか、令和元年は駿府城水祭と連携した石垣のライトアップなどを行い、全国各地より多くの方々に駿府城へ足を運んでいただきました。発掘調査終了後も、市民の皆さんに引き続き関心を持っていただくための取組が必要と考えております。  発掘調査の成果では、徳川家康と豊臣秀吉という天下人2人が関わった駿府城築城の謎に注目が集まりました。これを大いに利用し、研究者はもとより、市民や小中学生を巻き込んだ討論会や講演会などの開催を予定しています。このような事業により、駿府城への関心を高め、郷土への愛着と誇りにつなげていきたいと考えております。  次に、歴史文化施設に関する2点の質問です。  歴史文化施設で展示する資料の収集状況についてですが、現在、専門家の意見を踏まえて定めた資料収集方針に基づき、徳川家康公、今川氏、東海道などに関する資料を収集しております。これまでに家康が関ヶ原合戦の直前に駿府城主の中村氏に宛てた書状や江戸時代初期の制作と見られる東海道図屏風などを購入したほか、今川義元の古文書を含む関係資料などを市民の方から寄贈いただき、所蔵しております。歴史文化施設では、古文書、絵画、彫刻などの展示物、約150点中、80点以上の実物資料の展示を予定しておりますが、そのうち50点が既に本市に所蔵されております。  今後も、時期を逸することなく静岡市の歴史を語るにふさわしい資料をより多く収集していくことで、家康研究の拠点として、また、全国初の今川氏の常設展示を行う施設を目指して所蔵品の充実を図ってまいります。  次に、施設建設予定地で発見された遺構の展示・活用方法についてですが、大地とつながったままの道と石垣の遺構を歴史文化施設に取り込み、保存し、活用するため、展示方法や保存に関して様々な専門家の意見を伺ってきました。その助言に基づき、現在は遺構周辺の空気環境や土壌の成分分析などの環境観察を行っています。観察状況からは、温度や湿度の変化、カビの発生などで遺構を壊してしまう可能性があり、数年以上にわたって観察を続ける必要があると判断されたため、遺構の保存を第一とし、開館当初は遺構を密閉することなく掘り出されたままの状態で展示することを計画しております。これは、国宝や重要文化財を展示する博物館としては全国初の試みであり、世界的に有名な設計者の建築と遺構を融合させることで施設を特徴づけていきます。遺構は、来館者の皆様をお迎えするエントランス空間に展示し、目の前に広がる400年前の道で歴史を感じていただくとともに、当時の雰囲気を体感できるように映像で演出するなど、遺構を最大限に活用していきます。  次に、観光施策に関する2点の御質問です。  観光施策全般を通じた情報発信と交流人口の増加についてですが、3次総の観光・交流分野では、最終年である令和4年度の目標を国内外から多くの人々が訪れ、活発な交流が行われるまちの実現とし、具体的な数値としては平成30年度の観光交流客数2,593万2,000人に対し、令和4年度は2,772万1,000人を掲げております。その達成に向け、観光事業だけでなく歴史、文化、スポーツ、まちは劇場などの各事業に局全体で取り組み、情報発信についてはそれぞれのターゲットに効果的な手法で行うことが重要であると認識しております。特に、令和2年度は東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、本市を世界へ発信する好機であると同時に、目標達成に向けた重要な年でもあります。  そこで、首都圏においてはインバウンドを見据えたオリンピック・パラリンピックとの連携によるPR事業のほか、イベント、展示等によるプロモーションやSNSを活用した情報発信を国内外に向けて行うことにより、本市を目的地として選んでいただくことで交流人口の増加につなげてまいります。  最後に、オリンピック・パラリンパックの開催に合わせた本市のPRですが、ホストタウン自治体の取組や地域の魅力を広く国内外に発信する場として、大会期間中に開設される2020ホストタウン・ハウスに4日間出展します。開催場所は東京有明地区で、1日1万人の来場者が予想されています。この絶好の場を生かし、台湾、スペイン、モーリシャスの選手と市民との交流の様子を紹介するほか、局間連携を図り、静岡茶の飲み比べ等のお茶文化体験を通し、本市が誇る地域資源のお茶を活用したシティプロモーションも予定しております。  また、大会期間中には約3万5,000人の海外メディアの来日が見込まれており、本市では、できる限り多くの海外メディアを市内に呼び込むため、取材先の情報提供や取材に係る経費負担などの支援を行う予定です。本市を訪れた海外メディアに対しては、富士山の眺望をはじめ、豊かな自然や多彩な食文化、歴史文化などを紹介し、本市の魅力を広く世界に伝えていきます。 55 ◯市民局長(深澤俊昭君) 多文化共生のまちづくりの推進に関する2点の御質問にお答えいたします。  初めに、本市の外国人住民数の状況と生活情報の提供についてですが、本市の外国人住民数は平成25年度以降増加傾向にあり、本年1月末時点で1万732人となり、7年前と比べ約2,700人も増加しています。こうした外国人の増加傾向が見られる中、生活に必要なサービスが日本人と同様に受けることができるよう、静岡市国際交流協会と連携して多言語の生活情報を紙媒体やインターネットにより提供しています。また、令和元年9月に開設した多文化共生総合相談センターにおいては、開設以降、1月末までに既に458件もの利用があり、その際、生活に必要な情報も適宜提供しております。このような情報提供機能を併せ持つ同センターの利用をさらに促進するため、転入する外国人向けにQRコードを記載した多言語対応のチラシを配布して周知を図っております。  次に、イスラム文化センターに対する認識と期待についてですが、平成元年10月に開設された静岡イスラム文化センターは、イスラム文化の情報発信とともに、学生や社会人を対象としてイスラム文化を学べる機会を提供するほか、ハラール食やファッション体験、アラビア語等のテーマを気軽に楽しめるイベントなどを独自に開催しています。これらの交流事業は、市民の皆さんがイスラム文化や習慣を学べる貴重な体験の場となっており、多文化共生意識の向上に貢献していると認識しています。また、市の事業にも積極的に御協力いただいており、多くの日本人にイスラム文化を紹介するだけでなく、外国人向け防災事業においても防災意識の啓発に取り組むなど、国際交流団体と行政との連携のロールモデルとなっています。  このようにイスラム文化センターをはじめ、地域交流を展開する国際交流団体の活動がますます活発化し、多文化共生を担うパートナーとして多文化共生意識に富むまちづくりを共に推進していくことを期待しております。 56 ◯教育局長(遠藤正方君) 私からは宗教上、食べられないものがある児童生徒への対応についてお答えします。  現在、市内6つの給食センターで行っている食物アレルギー除去食対応を応用した形での提供を検討しています。具体的には、様々な宗教上の理由で特定の食材を食べることができない子供に対して、アレルギー食材でもある豚肉やゼラチンなどを除去した給食を提供することを検討しています。現行の施設、体制などの中で実施し、始めるため、工夫を要する点はありますが、試行を重ねながら課題を1つずつ解決していきたいと考えています。また、アレルギーや宗教上の理由で、ほかの子供と同じ給食を食べられない児童生徒に配慮した食材を選び、例えば、小麦や肉を使わないカレーなど、より多くの児童生徒が同じものを一緒に食べられる給食の日を年に数回実施することも検討していきたいと考えています。 57 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 人権施策の取組について、どのように進めているかについてですが、人権は憲法にも定められた誰もが生れながらにして持っている基本的な権利であり、市民一人一人の人権意識を高め、人権への理解を深めてもらうことは共生都市の実現を目指す上でとても重要です。  本市では、福祉総務課に人権啓発に関することを所管する地域福祉・人権擁護係を設置し、人権擁護委員や静岡地方法務局と連携して、人権啓発講演会の開催や人権擁護委員の日の啓発活動、人権週間における特設相談窓口の開設など、幅広く人権の大切さを伝え、理解を深めるための啓発活動を行っています。  一方、人権には女性や子供、高齢者、障害者、外国人、LGBTなど、個別のテーマがあり、それぞれの所管局が関連する事業に主体的に取り組んでいます。例えば、障害者理解に向けた心のバリアフリーイベントやLGBTに関する講演会の開催、外国人のための相談事業などを行っています。  今後は、各局の取組や関係団体との連携、協力により人権施策の推進に取り組む一方で、様々な人権のテーマにさらに適切に対応できるよう、推進体制についても検討を進めてまいります。 58 ◯教育統括監(望月敬剛君) 学校における人権教育についてですが、本市の学校における人権教育においては、特定の教科、領域に限らず、全ての教育活動の場で自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めることができるよう、発達段階に応じた指導を重視しております。例えば、福祉に関する総合的な学習の時間では、小学校中学年での高齢者福祉施設における交流活動の中で、お年寄りに失礼な態度を取ることがないよう、相手を敬った言葉遣いや態度など、事前に相手の人権に配慮した指導をしており、それにより気持ちのよい交流体験が実施されていると捉えています。このような経験を各学年で積み重ねながら、外国人や障害のある方、LGBTの方など、様々な立場の人たちに思いやりの心を持って接し、相手を一人の人間として大切にする気持ちを持てるような子供たちを育てていくとともに、教職員に対しては人権教育の研修を引き続き行い、周知徹底を図ってまいります。 59 ◯教育長(池谷眞樹君) 健全な教育の推進についての御質問、社会が大きく変化している中、静岡市の子供たちをどのように育てていきたいと考えているかについてお答えいたします。  子供たちが生きるこれからの社会は、国際化の進展や科学技術の発達により現代とは大きく異なる社会となるとともに、その変化は予測が困難なほど激しくなると言われております。そのような中、変化に柔軟に対応し、自分で課題を定めて、自分なりの解決策を見つける資質、能力を子供たちに身につけさせることが重要です。  本市の子供たちの状況を見ますと、与えられた課題に対しては解決方法を見つけ、対応する力に優れていますが、自ら課題を見つけ、進んでリーダーシップをとって解決することが苦手な傾向にあります。このために、教育委員会では本市が目指す次代を担う子供たちの姿として掲げるたくましくしなやかな子どもたちの具体的な姿の1つとして、自ら課題と向き合い、失敗を恐れずに何度でもチャレンジしていく強い意志を持った子供たちを育てていくことに力を入れていきたいと考えております。  このような子供を育てていくには、一人一人の興味、関心に応じた指導を行ったり、学校の力だけでなく、地域の様々な人の力を借りたりしながら学校教育を推進していくことが、より効果的です。その環境整備としまして、令和2年度から子供たちにきめ細かな対応ができるような35人学級を完全実施するとともに、地域全体で子供たちの成長を支えるため、地域の皆さんに教育に参加してもらう体制づくりを一層進めてまいります。   〔38番白鳥 実君登壇〕 60 ◯38番(白鳥 実君) 各局長から御答弁をいただきましたが、どうも質問の肝というものと答弁の肝が食い違う局長がおられるようであります。特に、公共資産統括監、それから、海洋文化都市統括監、肝の部分がするっと抜けてしまうような答弁でありました。  先ほど市長のほうから職員のことについてのお話がありました。人は石垣と言いますけれども、本当に職員の質の向上というのは大切なことだなと思っております。今回の質問のレクチャーに来た若い人たちと話をしていますと、いろいろな議論のやり取りがあるんですけれども、そこには意見というのがありまして、いい議論ができたなと思っております。また、うちの会派の議員、また、ほかの議員もそうだろうと思いますけれども、レクチャーの中で議論する、その議論というのは非常に充実度が高いなと思っておりまして、それが少しでも議場に反映されるならば、もっと活発な議論がここで展開されるんじゃないかと思いますので、両統括監につきましては、肝に銘じていただきたいなと思っております。  それでは、2回目です。  次は、大項目4、(2)まちは劇場について。  統一タグライン「ON STAGE SHIZUOKA」も定着し、来年度は各イベントに加え、7月開催の市民参加型舞台公演、11月には地域伝統芸能全国大会が予定されています。また、市民の手によって誕生した6月の静岡県高等学校応援団フェスティバルやおでん祭、「シズオカ×カンヌウィーク」は認知度も高まり、新たな文化として発展しております。  そこで、2点。  1点目に、今後、各種イベントのさらなる振興や日々のにぎわい創出に向け、どのように取り組んでいくのか。  2点目に、実行委員会が主催する比較的新しいイベントである「シズオカ×カンヌウィーク」と静岡県高等学校応援団フェスティバルに対する評価と、今後の支援拡充についての考えはどうか、お答えください。  次に、(3)日本平動物園について。  一昨日、大変愛されたアムールトラのナナが亡くなったということであります。残念なことだなと思います。御冥福をお祈りしたいと思います。  69年8月に開園されて以来50年、昨年は開園50周年記念式典が8月1日開催されました。サンクトペテルブルクから迎えたホッキョクグマのロッシー、レッサーパンダの聖地として全国有数の動物園として整備され、今年は人気アニメとのコラボや新しいキャラクターづくりも進み、来場者獲得に努力されてきました。  そこで、日本平動物園について3点。  1点目に、開園50周年事業の成果をどう評価しているか。また、さらに市民に親しまれる動物園を目指して、今後の動物園の経営方針はどのようか。  2点目に、象の導入に向けて原産国との調整が懸案事項であるが、展望はどうか気になるところです。進捗状況はどのようか、伺います。  3点目に、多くの来園者からレストハウスの充実を要望する声が上がっていますが、検討状況はどのようか、伺っておきます。  次は、大項目6、保健福祉と医療福祉の充実。  (1)健康長寿の推進について。  人生100年時代を迎え、国では介護予防をはじめとする生涯にわたる健康づくりの推進に取り組んでおります。会派では、温泉を活用した健康づくりに取り組む山形県上山市を視察。健康ツーリズムとともに、総合的市民健康づくりに向け、住民一人一人が健康管理カリキュラムを作成、市長自ら朝一番の散歩から栄養管理されたレシピの昼食、その結果1年で10キロの減量に成功。まさに、健康のシンボルとして取り組んでいました。  本市では、5大構想の1つとして、健康長寿のまちづくりに取り組んでいますが、対応について2点。  1点目に、静岡市健康長寿のまちづくり計画はどのように取り組んでいくのか。  2点目に、本市における健康づくりの意識向上に向けた取組はどのように行っているのか、伺います。  次に、地域の支え合いについて。  地区社会福祉協議会を中心に展開されている事業では、安西地区での居場所づくり「いーとこあんざい」など、各地域で特色ある取組が行われています。また、専門職の連携では、各種団体との意見交換の場として協議会を設置し、進められております。  そこで、2点。  1点目に、地域における市民の支え合い活動の状況と今後の展開に向け、新年度はどのように進めていくのか。
     2点目に、医療、介護等、専門職の連携はどのように進めているのか、また、進めていく上での課題は何か、伺っておきます。  次に、高齢者施設の指導・監査について。  昨秋、愛知県の法人が運営する清水区三保に所在する特別養護老人ホームほか2施設が、経営難を理由に閉鎖するという問題が起こりました。本市では利用者の安心・安全が確保されるよう、迅速に移転入居先への対応、利用者の立場に寄り添い努めたことは高く評価しております。一方で、今回の出来事を通して、法人本部と施設の所在地が異なる場合の指導・監査の課題も見受けられたのではないかと考えております。  そこで、2点。  1点目に、市の指導・監査の役割は何か。また、今回の3特養閉鎖問題に対して、どのように対応したのか。  2点目に、今回の事例のように法人本部と施設の所在地が異なる場合は、関係する自治体が連携して対応していくことが必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、(3)静岡市の医療体制について。  新年度、機構改正では、局長級の保健衛生医療統括監の新設が示されました。清水区の患者が葵区の病院に救急搬送される事例が多くなり、救急医療体制への対応とのことです。一方、昨年9月、国が公表した公立・公的病院の再編・統合論議をめぐり、自治体からは地域の病院がなくなると住民が誤解するといった反発が相次ぎ、本市で行われた厚労省の説明会でも、静病の病院長をはじめ、多くの医療関係者から風評被害に対し、厳しい意見が示されました。  そこで、まず、今回国が示す地域医療構想の再検証要請をどう受け止めているのか、伺います。  次に、清水区の医療体制について。  清水区では、桜ヶ丘病院の移転問題や地域医療構想の再検証に桜ヶ丘、清水厚生の両病院が要請を受け、体制整備には課題が山積しております。その中で、会派では清水病院の基幹病院としての役割を重視、今後の病院経営について病院長を含む関係者との有意義な意見交換を行いました。  そこで、2点。  1点は、事業性と公共性の両立に向けて、今後どのように取り組むのか。経営改善に向ける取組を伺います。  2点目に、視察を通じ、清水病院での回復期医療が重要であることを改めて確認しました。  そこで、清水病院の強みであるリハビリテーション機能を、さらに充実させていくべきと考えるがどうか、伺います。  次に、医師の確保について。  国では、医療職員の確保、労働環境改善に向け、医師の超過労働時間の軽減にも着手するとのこと。厚労省では、医師が業務に専念できるよう、看護師や補助事務職の業務分担も加速させるとのことで、さらに医師確保は急務となります。  そこで、2点。  1点目に、静岡県及び静岡市各区の人口10万人当たりの医師数の現状はどうなっているのか。また、静岡市立の2病院における5年間の医師数の推移はどうなっているか。  2点目に、清水病院における医師確保の取組についてどのように取り組んでいくのか、伺います。  会派の重要テーマ、桜ヶ丘病院については後日、風間議員がきっちりと質問させていただきます。  次は、大項目7、環境に優しい静岡市の実現。  溶融スラグについて。  西ケ谷溶融スラグとの縁は、奄美大島で藻場再生事業がスタートしたときからでありました。平成22年10月、議員有志6名でスラグの活用の現地視察、その後、自民党会長の、俺も行くよのかけ声で、超党派での視察が実現。台風の影響で奄美着陸は決死の到着となりました。以来、奄美市、龍郷町、宇検村との交流が本格化。現在では、11月の産業フェアへの物産展の参加、交流は恒例となりました。さきの研修会では、奄美の藻場育成と静岡大学、東海大学との共同研究が報告され、産学官連携事業として展開、農業用肥料として農水省の仮登録を受け、その活用が進められています。  そこで、3点。  1点目に、溶融スラグは建設材として活用されてきたが、年間、スラグの過去3年間の生成量はどのように推移してきたか。  2点目に、平成29年3月、農水省の仮登録を受けた溶融スラグ肥料は農協での販売もスタートしたが、その活用と利用量はどのようか。  3点目に、溶融スラグの活用について、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、環境保健研究所について。  新型コロナウイルスは全世界を震撼させています。国では、PCR検査も保険対象とするとのこと。体制の拡充と瀬戸際作戦として小中高休校を要請。本市でも市民の冷静な対応が求められています。昨年、会派では本市の検査機関である環境保健研究所を視察。視察は4度目となりますが、以前と変わらず検査機器が廊下に置かれ、冷蔵庫が外倉庫に置かれと、施設の狭隘化を改めて痛感しました。近年の風疹や海外渡航者による病原菌の持ち込みなど、保健所とともに重要な環境保健研究所の施設が現状では対応が厳しいと感じております。  そこで、2点。  1点目に、今回の新型コロナウイルスについて、検査機関としてどのような対応が行われているのか。また、新型インフルエンザやSARSなどの新たな感染症の発症を受け、近年研究所に求められる役割をどう認識しているのか。  2点目に、設置目的の重要度に鑑み、今後、早急に移転方針を決定し、その対応に取り組む必要があると思うが、狭隘、耐震性能の現状及び移転についてどのように考えているか、伺います。  次に、(3)リニア工事と南アルプスユネスコエコパークについて。  田辺市長は、2015年、月刊誌「都市問題」のインタビューにおいて、静岡市におけるリニア中央新幹線事業と自治体について、次のような考えを示されました。2014年にユネスコエコパーク登録となり、国際的な約束として、この自然環境を保全していく責任が生じた。経済と保全を両立させ、融合させていく。リニア新幹線の着工時期については、市民への説明責任が最も重要との考えを示し、大井川を主要な水源としている島田市をはじめとする10市町が流量、水質、水循環へ強い信念を持っているので、私はその代弁をする立場。旗振り役の一人と明言しました。今でも変わっていないのか、伺いたいところです。  2月13日、県では、新年度の3戦略を公表。川勝知事は3つの重要戦略の1つとして、水循環の地域モデル構築を掲げ、リニアやサクラエビは水循環の問題であると指摘。国の施策である水循環基本法に従った取組を加速させる考えを示されました。  そこで、2点。  1点目に、リニア建設工事に伴う大井川水問題が未解決の中、県が水循環の地域モデル構築を重要戦略の1つに掲げたが、水循環に関する県や流域市町との連携や責任についてどう考えるか。  2点目に、大井川の源流である南アルプスユネスコエコパークでもある本市域内の水資源について、市はどのように考えているのか、お答えください。  次は、大項目8、卸売市場の今後と農林水産業の活性化。  中央卸売市場について。  食品流通では、加工食品や外食需要の拡大、通販、産地直売等、流通の多様化の状況にあります。国では、時代に対応したニーズに応えるため、市場の創意工夫を生かした取り組みの促進と取引の適正化を目的に、平成30年6月、卸売市場法を改正。本市では、法改正を受け、静岡市中央卸売市場業務条例改正案が本定例会に上程されました。パブコメでは、取引の活性化を図ることが示された一方、改正内容は大幅な規制の見直しで市場も民営化が可能となるなど、市場関係者には不安があることも事実で、公設市場の維持を求める声もあると聞いております。  そこで、2点。  1点は、条例改正を踏まえ、開設者としてどのような中央卸売市場としていくのか。  2点目に、市場の取引の活性化に向け、どのような体制で推進していくのか、伺います。  次に、農林水産業の活性化について。  広大な森林と豊かな山の幸を抱えるオクシズとサクラエビやシラス等、海の恵みを育む「しずまえ」は、本市の2大地域ブランドとして注目が集まっています。毎年10月、青葉公園で開催される、しずまえ・オクシズまつりでは、約40ブースが並ぶ一大イベントになっております。また、基幹産業である茶業の振興では、交流人口の拡大や茶業者の所得拡大を目的に、お茶ツーリズムにも取り組み、市民認知度も上がってきましたが、残念なことに茶価の低下や後継者不足、肝心な漁は不透明の状況にあり、関係者の不安が拡大しております。特にサクラエビ漁は平成30年の春漁以降、深刻な不漁に陥ることとなりました。  そこで、農林水産業について4点。  1点目に、サクラエビ漁とシラス漁の現状を市はどのように捉えているのか。また、新年度「しずまえ」鮮魚普及事業をどのように推進していくのか。  2点目に、オクシズのプロモーションについて、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  3点目に、茶の振興事業として展開された静岡市お茶のツーリズム推進事業に係る今年度の取組実積と新年度の取組内容はどのようなものか。  4点目に、本市における新規就農の実態と就農希望者の受入れ状況はどのようになっているのか、伺いまして、2回目といたします。 61 ◯副議長(亀澤敏之君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時50分休憩    ───────────────────         午後3時5分再開 62 ◯議長(遠藤裕孝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  白鳥 実君の総括質問に対する当局の答弁を求めます。 63 ◯観光交流文化局長(大石貴生君) まちは劇場の推進、日本平動物園に関する5点の質問にお答えします。  まず、まちは劇場の推進について、2点の質問ですが、1点目は、各種イベントのさらなる振興や日々のにぎわい創出に向けた取組についてです。  各種イベントの振興にはイベントの認知度と価値を高めることが必要であるため、四季折々に開催されるフェスティバルをパッケージ化し、まちは劇場「ON STAGE SHIZUOKA」としてのブランディングの下、一体的なプロモーションを図っていきます。令和2年度は、国内外に向けてはSNSを活用し、ターゲットを絞った情報発信サービスを利用して、届けたい相手に確実に届ける効率的なプロモーションを実施します。併せて、市内に向けては引き続き「ON STAGE SHIZUOKA」のロゴデザインをあしらったバナー広告や施設への掲出などを実施してまいります。  また、日々のにぎわい創出に向けては、まちなかで日常的に多彩な文化芸術を楽しめるまちであるよう、局間連携を図り、道路や公園、公共施設等のハード整備においても、まちは劇場の考え方で取り組み、街角の空間ににぎわいが生まれる環境を充実させていきます。  次に、新しいイベントの評価と今後の支援拡充についてですが、11回目を迎える「シズオカ×カンヌウィーク」は、駿河区、清水区にもエリアが拡大し、17万人が訪れるイベントとなりました。また、9回目を迎える高等学校応援団フェスティバルは、県内だけでなく県外の学校も参加するなど、交流の幅が広がっており、それぞれ大きく発展しています。いずれも、民間組織の自主的、自立的な創意工夫による企画・運営がされており、静岡発の文化創造及び地域経済の活性化に寄与するイベントとして定着しつつあると評価しております。  一方で、その規模や内容を充実させ、発展させていくためには、組織体制や財源確保などの基盤づくりが課題として挙げられます。そのため、各実行委員会とそれぞれの目指す方向を共有した上で、その実現に向けた継続的な組織運営に対する支援や周年記念での拡充支援などの下支えを行ってまいります。  次に、日本平動物園に関する3つの質問についてお答えします。  初めに、開園50周年事業の成果と今後の運営方針についてですが、50周年事業の成果としては、来園者の満足度として4回の特別企画展の満足度が、例年に比べ10%アップして90%となったほか、記念動物として導入したカピバラは、特に子供や女性から好評を得ております。また、PR効果としては、東京での記者発表会で新キャラクターを活用し、レッサーパンダの聖地静岡市をPRしたことで、59の首都圏メディアに日本平動物園を取り上げていただき、県外からの来園者の割合が増加しております。  今後の運営方針ですが、日本平動物園は「いのちを感じ、次世代につなぐ動物園」という基本理念を掲げております。その実現のため、絶滅危惧種が増えていることや、生息地の厳しい環境を来園者に伝え、生物多様性の保全について考えるきっかけをつくる場を拡充してまいります。また、生き生きとした動物の姿を観察できる朝の動物園や夜の動物園のほか、動物のぬくもりや息遣いを感じられる「ふれあい」や「エサやり」などの参加体験型イベントの充実を図り、皆様に愛される魅力ある動物園を目指してまいります。  次に、象導入の進捗状況についてですが、本市はタイ王国に4頭の象導入を要望しております。昨年の2回のタイ王国訪問以降も、在日タイ王国大使館、外務省などを通じて情報収集してまいりましたが、本市の要望に対し、進展がなかったため、本年1月に再度タイ王国を訪問し、象輸出について交渉をしてまいりました。その結果、天然資源・環境省の事務次官からは、象輸出については従前どおり、1年に1機関、2頭以下の規則内容に変わりがないこと、また、現時点で担当大臣がタイ王国内の象輸出反対運動を懸念し、象を輸出しないとの表明を撤回しておらず、タイ王国からの導入は大変厳しい状況にあることを再確認しました。  今後の対応についてですが、要望実現に向け、引き続きタイ王国の情報収集に努め、動向を注視する一方、他のアジアゾウ原産国からの導入の可能性を調査してまいります。  最後に、レストハウスの充実についてですが、レストハウスはソフト、ハード両面において質を高めることが来園者の満足度向上につながると認識しております。ソフト面ではサービスの質を高め、特に商品開発によるメニューの充実が重要であり、運営を担う一般財団法人静岡市動物園協会と連携し、子供向けメニューや女性をターゲットにしたスイーツなど、より魅力のある商品開発を行い、充実を図ってきました。その結果、レストハウスの満足度は5年前と比べ、令和元年度は17%アップし、51.6%となりました。  今後も、来園者のニーズを把握し、商品開発、接客対応の向上、施設内の環境改善など、さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。  一方、ハード面では動物園の将来構想を踏まえた大規模改修や建替え等が課題となっております。レストハウスは、新象舎建設の候補地エリアに含まれており、今後の象導入の動向によりますが、現時点ではレストハウスの再整備は象舎と一体的に行っていく必要があると考えております。 64 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 健康長寿のまちづくり計画の取組に関する2つの御質問についてお答えします。  まず、健康長寿のまちづくり計画に基づく取組についてですが、この計画では富士山型の施策体系として、裾野の市民の自主的な健康づくり、山腹の市民の連携による地域での支え合い、山頂の医療・介護の専門職の連携の3つの分野で取り組んでおります。平成30年度の計画開始以降、おおむね計画どおり取組が進んでおりますが、令和2年度は計画の中間評価・改定の時期となるため、これまでの取組の成果を地域活動に参加する高齢者の割合などの成果指標で確認し、評価することとしております。これに加え、がん対策や歯と口腔の健康、認知症に関する取組など、健康長寿のまちづくりを取り巻く新たな課題への対応を踏まえるなど、PDCAを意識した計画の改定を行いたいと考えております。  次に、富士山体系の裾野の健康づくりの意識向上に向けた取組についてですが、健康づくりのためには市民の皆さんが自らの健康に関心を持ち、主体的に取り組んでいくことが重要であるため、本市では社会参加、食事、運動を軸とした様々な事業を進めております。  まず、社会参加では高齢者の生きがいづくりや社会参加を促すため、ボランティア活動を支援する「元気いきいき!シニアサポーター事業」などを実施しております。次に、食事では、食を通じた健康意識の醸成を図るため、食べる機能の大切さを啓発する口腔機能向上事業などを実施しております。また、運動では、日々の運動不足の解消や外出の機会をつくるため、健康増進につながる自転車の利用を促進する事業などを実施しております。  こうした取組に併せ、特定健診やフレイル予防など、自身の健康状態を知っていただくための見える化事業を実施しており、今後、これらの事業を実施していくことにより、市民の皆さんの健康づくりを推進してまいります。 65 ◯健康長寿統括監(加藤正嗣君) 健康長寿のまちづくり計画と高齢者施設に関する4つの御質問にお答えします。  まず、富士山型施策体系のうち、山腹の地域における市民の支え合い活動の状況と今後の取組についてですが、高齢者の在宅生活を支えるための支え合い活動については、令和元年10月末現在、地域での居場所づくりが95件、買物支援などの生活支援が26件など、市内各地域において149件の活動が主体的に行われていることを把握しております。この支え合い活動を支援するため、本市は生活支援コーディネーターを中学校区程度の単位である各日常生活圏域に配置し、自治会や地区社協など、地域の多様な主体への情報提供や働きかけ、地域の担い手養成などに取り組んでおります。  今後、地域のつながりを一層促進するため、生活支援コーディネーターが支援者となって、地域の関係者に地域において協議の場を設ける必要性を説明したり、先行して取組を実施している地区の事例紹介を行うことなどを通じて、支え合いの体制整備を進めてまいります。  次に、山頂の医療・介護の専門職の連携はどのように進めているかについてですが、平成26年度より設置している医療や介護の専門職等で構成した在宅医療・介護連携協議会において、医療と介護の連携を推進するための事業計画の検討や実行、検証等を行い、専門的見地からの意見交換を通し、職種間の理解を深めることにつながっております。  次に、連携を進める上での課題としては、市内の専門職を対象に行った調査によると、一般市民への周知、啓発が最も必要なこととして挙げられます。市民が住み慣れた自宅で医療を受けることや人生の最終段階でどのような医療・ケアを望むかを、あらかじめ考える機会を提供することが必要であると考えることから、今後もさらに研修や出前講座を行うなど、周知、啓発を図ってまいります。  次に、高齢者施設における市の指導・監査の役割や3特養の閉鎖問題の対応についてですが、市の指導・監査の役割は高齢者施設における利用者への処遇や職員の配置状況、設備の維持管理等について確認及び指導を行うことを通じて、事業者による安定した介護サービスの提供を図ることです。  3つの特別養護老人ホームに対しては、毎年、定期的に指導を行ってきたところですが、令和元年9月、法人側が3施設閉鎖を突如表明したことにより、給食会社が撤退するなど、入所者やその家族、施設職員など、多くの関係者や市民の皆さんに不安を与えることとなりました。このため、今回の事態に誠意を持って対応するよう法人側に強く求めるとともに、本市としても命に関わる事態と判断し、入所者133人への直接支援に乗り出しました。  具体的には、他の特養等に対して受入れ協力を要請した上で、介護の事業者連絡会やケアマネット協会など、関係団体と連携して転所支援を実施するほか、関係者や市民の皆さんの不安を軽減するための積極的な情報発信、転所先施設での状況把握など、入所者優先で精力的に取り組んでまいりました。入所者対応後には、法人対応に切替えて、施設への立入りや法人理事の呼び出しによる状況聴取や指導を実施し、不適切な施設運営に対する改善勧告を行いました。しかし、一向に改善が図られなかったことから、2月20日にその状況を公表し、現在も継続的に施設への指導・監査を行っているところです。  最後に、法人本部と施設の所在地が異なる場合の指導・監査における自治体連携についてですが、法人には法人本部が設置されている自治体が、施設には施設所在地の自治体が、それぞれ指導・監査を行うこととなっております。法人本部と施設は所在地が異なる場合であっても一体の組織であることから、関係自治体の連携は欠かせないものであると認識しております。このため、今回の事例については、法人本部が設置されている愛知県や他の施設が所在する岡崎市などと連絡を取り合うだけでなく、一堂に会しての意見交換会や合同で法人から聞き取りを行うなど、密に連携し、対応してきました。  今後、同様の事例が起こった場合であっても、関係自治体と指導・監査の状況や法人の動向などの情報を共有し、対応方針を確認し合うなど、連携して対応してまいります。 66 ◯保健福祉長寿局長(羽根田信人君) 医療体制整備に関する5つの御質問についてお答えします。  まず、地域医療構想に係る具体的対応方針の再検証要請への受け止めについてですが、令和元年9月、厚生労働省から静岡保健医療圏の中で、一定数以上の診療実績を有する医療機関が2つ以上あり、その医療機関と所在地が近接しているとの理由で、市内の4つの病院に具体的対応方針の再検証が求められました。これは、全国一律の基準で判断され、地域の実情が反映されていないもので、必ずしも医療機関そのものの統廃合やダウンサイジング、機能分化等を決めるものではないと認識しております。  本市としましては、これらの病院には地域医療を支えていただいていることから、今後、各病院の考えを伺いながら、また、県とも連携しながら、地域医療の維持のために病院の役割分担や機能強化などについて、県が所管する静岡地域医療構想調整会議などで協議してまいります。  次に、清水病院の事業性、公共性の両立についてですが、清水病院は地域の皆さんの生命と健康を守るため、高度医療や救急医療等、一般に不採算とされる医療であっても、地域に必要であれば体制を整えて提供する公としての役割が求められます。その一方で、地方公営企業として、効率性、収益性、合理性にも配慮した経営が重要です。健全な経営を維持し、安定的かつ継続的な地域医療の提供を行うため、投資すべきところは投資し、無駄を省くところは省き、効率化を推進することで事業性と公共性の両実現に向けて取り組んでいきます。  今後も、他の医療機関や診療所、医師会などと連携し、地域医療の維持、向上を図り、地域の皆さんが安心して生活できる医療の提供を行ってまいります。  次に、清水病院のリハビリテーション機能の充実についてですが、清水病院は清水区の基幹病院として、急性期医療を中心に急性期後の回復期リハビリテーション医療の提供、さらには、健診や予防接種などの公衆衛生まで幅広い医療を提供しています。その中でも回復期リハビリテーション病棟を備える清水病院は、リハビリテーション機能が強みの1つであることから、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の増員を行うなど、機能強化を進めています。  今後のリハビリテーション機能の充実については、患者の需要や費用対効果等を考慮し、次期清水病院経営計画作成の中で検討してまいります。  次に、静岡県及び静岡市各区の人口10万人当たりの医師数の現状ですが、厚労省が令和元年12月19日に公表した平成30年の医師・歯科医師・薬剤師統計によりますと、静岡県全体で210.2人、静岡市全体では241.0人となっており、区ごとに換算すると葵区が417.5人、駿河区161.8人、清水区122.0人となります。  次に、静岡市立の2病院の5年間の医師数の推移ですが、清水病院は平成27年度、67人、28年度、70人、29年度、66人、30年度、70人、本年度は69人で、ほぼ横ばいとなっています。一方、静岡病院は平成27年度、115人、28年度、126人、29年度、122人、30年度、126人、本年度は124人となっております。  最後に、清水病院における令和元年度の医師確保の取組についてですが、大学病院医局との連携強化を行うため、病院長や副病院長等による医局訪問を本年1月までに18回行うとともに、医学生対象の合同説明会に3回参加し、積極的に当院のPRを行いました。また、医師の紹介を受けるため、医師あっせん会社10社と契約をしています。その他、平成27年度に創設した医学生修学資金貸付制度では、本年1月までに現在、貸与を行っている医学生19名を含め、合計30名に貸与を行い、そのうち9名は当院の臨床研修医として採用しました。  次に、今後の医師確保の取組についてですが、新専門医制度や働き方改革への対応により大学病院からの医師の派遣は一層厳しい状況となっています。そのような状況の中、安定的に医師の確保を行うためには、やはり大学病院医局との連携が重要であることから、引き続き医局訪問を行うとともに、研修設備や教育研修制度の充実など、若手医師にとって魅力ある環境づくりに努めてまいります。 67 ◯環境局長(櫻井晴英君) 溶融スラグの有効活用と環境保健研究所に関する5点の質問にお答えします。
     最初に、溶融スラグの過去3年間の生成量の推移についてですが、溶融スラグとは西ケ谷清掃工場において廃棄物を高温で溶かした後にできる砂状のもので、建設資材や農業用肥料として有効活用されております。生成量については、平成28年度が約1万2,000トン、29年度が約1万5,200トン、30年度が約1万5,700トンとなっております。  次に、溶融スラグの肥料としての活用と利用量についてですが、溶融スラグには可溶性ケイ酸、アルカリ分などの成分が含まれ、イネ科植物の育成に効果があることから、農業用肥料として活用されております。  次に、利用量についてですが、平成29年度は実際に農家の皆さんに稲作の肥料としての効果を確認していただくため、JA静岡市、JAしみずの協力を得て、約10.8トンを試験栽培用として利用しました。この試験を通じて効果が認められたことから、平成30年度は静岡県経済農業協同組合連合会から約12トンが販売され、利用されております。  次に、溶融スラグの今後の活用についてですが、現在、産学官連携の下、溶融スラグの有効活用の研究を進めております。具体的には、ワサビなど、イネ科以外の植物への利用、ゴルフ場での芝育成、用宗漁協海岸の藻場再生のための溶融スラグを利用した藻場ブロックの設置、溶融スラグを使用した人工干潟の造成による自然再生などの研究を進めております。溶融スラグの利活用に当たっては、複数の大学、企業において関心を示していただいており、今後も様々な連携を通して、さらなる利活用を図ってまいります。  次に、環境保健研究所の新型コロナウイルスへの検査機関としての対応と新たな感染症の発生を受け、研究所に求められている役割についてですが、本年1月24日付、国立感染症研究所から新型コロナウイルスの検査マニュアル及び検査試薬が送付され、環境保健研究所では検査方法の検証を実施し、1月30日に検査体制を整えました。現在、1日当たり最大12人分の検査が可能となっており、保健所からの依頼に基づき、3月2日現在、56人分の検査を実施しております。  次に、新たな感染症の発生を受け、研究所に求められている役割についてですが、今回の新型コロナウイルスのような新たな感染症が発生した際にも、速やかに検査体制を構築するとともに、迅速かつ正確に検査を実施することにより、市民の皆さんの安心・安全な生活環境を確保することが研究所に求められている役割と認識しております。  最後に、環境保健研究所の狭隘、耐震性能の現状及び移転についてですが、現在の環境保健研究所は、近年の検査項目の増加による検査機器の増及び検査精度の高度化による検査機器の大型化により施設の狭隘化が顕著となっております。  次に、耐震性能でございますが、当該施設は昭和39年に建設され、築55年以上が経過し、59年に改修されたものの、東海地震に対する耐震性能ランクはIbとなっております。これは、建物が倒壊する危険性はありませんが、ある程度の被害を受けることが想定されるものでございます。こうした施設の狭隘化や耐震性の不足を解消するため、移転について検討してまいります。 68 ◯企画局長(前田誠彦君) リニア中央新幹線建設工事に伴う大井川水問題が未解決の中、水循環に関する県や流域市町との連携や責任についてですが、JR東海と締結した基本合意書において、大井川中下流域に配慮した誠実な対応を同社に求めている本市としましては、現在の国、県及びJR東海の三者による協議の動向に注目しているところです。さらに、大井川の水問題に限らず、水循環については平成26年に施行された水循環基本法において、「水循環に関する施策に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と地方公共団体の責務が規定されているところであります。  本市といたしましても、水循環に関してはその責任を認識した上で、県や関係市町と情報共有を図るなど、連携して取り組んでまいります。 69 ◯環境局長(櫻井晴英君) リニア中央新幹線建設工事等に関する質問にお答えします。  本市域内の水資源に関する市の認識についてですが、南アルプスを源流とする大井川の水資源は、水力発電により多くの再生可能エネルギーを生み出す貴重な資源であるとともに、周辺の自然環境や地域社会を潤すかけがえのないものであると認識しております。そうした中、リニア中央新幹線建設工事に伴う河川流量の減少や河川への濁水の流入が水生生物の生活環境の悪化のみならず、生態系全体へ与える影響などを懸念しております。その懸念の払拭に向け、本市は早くから市独自で大井川の流量減少などのシミュレーションを実施したほか、静岡県環境影響評価条例に基づく市長意見等を通じ、JR東海に対して、水資源への適切な対応を求めてまいりました。  今後も、南アルプスユネスコエコパークの価値が損なわれることがないよう、水資源をはじめとした環境の保全に向けて最大限努力してまいります。 70 ◯経済局長(池田文信君) 中央卸売市場に関する2つの質問について併せてお答えします。  条例改正を踏まえ、開設者としてどのような市場を目指すのか。また、取引の活性化に向け、どのような体制で推進するのかについてですが、今回の条例改正では法における公正な取引の確保等を目的とした共通の取引ルールのみを規定し、第三者販売や直荷引きの原則禁止などのその他の規制は行わないこととし、取引の活性化を図ります。取引の活性化には、市場における集荷力と販売力を強化する必要があり、そのために、まず、市場に関わる全ての人が食品流通に関する情報を共有し、課題解決に向けて一丸となり、総合的に検討を行うことが必要となります。  そこで、市場内の事業者はもとより、食品流通の川上にある生産者から川下の消費者までの市場外関係者や学識経験者を加えた組織を新たに設置し、それぞれの立場から広い視野と多角的な視点で食品流通における様々な課題の解決に取り組んでいきます。このように、取引の活性化を図る中で、本市としては開設者として、これからも地域の食品流通の核として市民の皆さんの食生活を支え、より一層の安心と満足を届けられる市場を目指してまいります。 71 ◯農林水産統括監(草分與志君) 農林水産業の活性化についての4点の御質問にお答えします。  初めに、サクラエビ漁、シラス漁の現状と、「しずまえ」鮮魚普及事業の推進についてですが、サクラエビとシラスは、「しずまえ」にとって重要な地域資源です。シラス漁については、直近5年間は漁獲量が減少傾向であり、今後の状況を注視しております。また、サクラエビ漁はかつてない不漁に直面していることから、県や漁協など、関係団体と情報共有を図り、一丸となって資源回復に取り組んでいるところです。  次に、令和2年度の「しずまえ」鮮魚普及事業については、しずまえ・オクシズまつりや産業フェアなど、様々なPR事業を通じて、「しずまえ」エリアに誘客するための情報発信を行っていくほか、しずまえ振興協議会などの皆様とともに、食をテーマに、「しずまえ」エリアを周遊するイベント等、新たな企画を実施してまいります。  次に、オクシズプロモーションの今後の取組についてですが、これまでにメディアと連携した情報発信、劇団SPACと連携したオクシズ縁劇祭といった様々なイベントの開催の成果もあって、市民のオクシズに対する認知度は80%に達しました。令和2年度は市内に向けては百貨店や飲食店と連携し、オクシズPRブースの開設や生産者自ら商品の魅力を紹介する食のイベントなどを本格的に実施します。また、首都圏や中京圏に向けては、都市住民がオクシズに求めるゆったりやリラックスをキーワードに、温泉や縁側カフェのイラストを活用するなどのイメージ戦略に力点を置き、情報発信に努めてまいります。  次に、お茶ツーリズム推進事業の取組内容についてですが、これまでガイドブックやホームページなどを通じ、周知するとともに、受入れ体制強化のための勉強会等を実施してきました。令和元年度は利便性の向上とインバウンド対策を図るため、お茶ツーリズムの受付・相談窓口しずおか茶巡りデスクを、公益財団法人するが企画観光局内に設置しました。これは、体験希望者の希望内容に合ったプログラムの紹介や体験先との日程調整を行う専用窓口で、通訳やお茶タクシーの手配等も行っています。  次に、令和2年度の取組内容ですが、しずおか茶巡りデスクは、利用者から窓口機能や使いやすさを評価する声が多かったことから、引き続き設置するとともに、体験箇所を3カ所増やし、より多様な体験ができるようにします。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせて、有明エリアに開設されるホストタウン・ハウスに出展し、インバウンド需要の獲得に向け、本事業を積極的にPRします。  最後に、本市における新規就農の実態と受入れ状況についてですが、本市の新規就農者は平成28年度からの3年間で61人ありました。その年齢内訳を見ると40代以下が主体であるものの、50歳以上が約16%も占めており、中高年の農業参入へのニーズがうかがえました。  そこで、令和元年度に農家、JA、県と連携し、地域で就農希望者を受入れ、独立までの研修を一体的に行う受入れ組織を立ち上げ、この組織を活用し、市独自の支援策として中高年の就農支援を行う制度を創設しました。令和元年度は市内外より公募による応募者が4人あり、選考の結果、30代以下の2人が選ばれたところです。令和2年度は国が中高年の就農研修を支援する事業を立ち上げることから、国の動向を見据えつつ、JAをはじめ、関係機関と連携し、中高年を含めた新規就農者の育成、確保に一層取り組んでまいります。   〔38番白鳥 実君登壇〕 72 ◯38番(白鳥 実君) 今年のまちは劇場の事業が大変心配されるところです。国のほうからイベントや集会等の中止が要請されている中で、既に幾つかのイベントが中止を決定したと。  今後、実行委員会などで行う事業については、準備費等がかかってくるということと、会場費の負担がかかってくるということで、早めにその対応が迫られてくる。恐らく6月以降はこのウイルスの問題は解決するのかなと思ってはおりますけれども、その決定は2~3カ月前にしなければならず財政的な担保が非常に心配されるところでありますので、市長には頭の片隅に置いといていただけたらと思います。  3回目です。大項目9、都市基盤整備。  市営住宅整備について。  市営住宅は、高度成長期から昭和50年代に建てられ、老朽化が進み、また、間取り、設備も語弊を恐れなければ時代遅れ、若年層には入居への魅力に欠け、新規入居者減少の一因になっています。今日まで大規模団地は人口集積の役割も果たし、商店や金融機関などを呼び込み、地域の利便性の向上にも役立ってきました。アセットマネジメント方針に従い、一定の戸数の維持と老若男女を問わず安心・安全、心豊かな場所となる再整備が不可欠で、世代を超えて住みたい場所になっていくことで、人口集積も可能になると考えております。大規模団地の再整備は、長い期間が必要であることは承知しておりますけれど、だからこそ、早期の構想づくりが重要であります。  そこで、まず、市営住宅の再整備に関する基本的考え方について伺っておきます。  次に、安倍口団地の再整備について。  住む人にとって、住みがいがあり、美和地区全体にとっては新たな公共エリアとしての安倍口団地を、いかに築いていくのか求められております。会派と住民との意見交換の結果、再整備に向けて安倍口団地再整備検討委員会を早急に立ち上げ、安倍口団地のネーミング、エコタウン化も念頭に置いて、整備指針を検討すべきと考えます。改めて、安倍口団地の再整備に向けた今後の取組について市の考えはどうか、伺っておきます。  次は、大項目10、健全な教育の推進について。  既に教育長より学校教育に臨む基本姿勢が示されました。個性に合わせた教育を重点化、新学習指導要領が定める、学びに向かう力、実生活を生きて働く知能や技能、どの状況にも対応できる思考力の3つの力を支える環境づくりを目指すとのことで、現場での新たな対応が進められております。  そこで、特に重視される学校と地域との共同体制づくりについて4点。  1点目に、静岡型小中一貫教育の推進事業は、令和4年度の全校実施を目指して進められておりますが、第1期実践研究グループ校では、どのような成果と課題が得られたのか。また、今後その成果と課題をどのように生かしていくのか。  2点目に、静岡市型35人以下学級の完全実施に向け、どのように対応していくのか。  3点目に、子供1人1台端末時代に備え、教員のICTに関する技能向上に向けて、どのような研修に取り組んでいくのか。  4点目に、学校応援団推進事業で委嘱しているコーディネーターを対象とした研修会で、学校応援団の取組状況をどのように共有しているのか。また、新年度はどのように事業を進めていくのか、伺います。  次に、SNS等の被害未然防止について。  本年度現在、ツイッターなどのSNSを通じて犯罪被害に遭った18歳未満の子供は2,095人で、過去最多とのこと。性犯罪の重要犯罪の被害も増加。大阪市住吉区の小学6年の女児が行方不明になり、栃木県小山市で保護された事件では、容疑者はSNSを通じて女児と接触、SNSのやり取りだけで、顔も知らない大人と会い、事件に巻き込まれました。社会のモラルと保護者の責任感を高め、情報化社会に生きる子供が情報の持つ意味を正しく理解し、活用できる能力を高める教育を推進することが重要であります。  そこで、2点。  1点目は、SNS等の犯罪の被害防止に向けて学校においてどのような取組をしているのか。  2点目に、家庭や地域に対してどのような取組をしているのか、伺います。  次は、大項目11、消防力の充実。  広域消防の充実について。  昨年は全国各地で台風や豪雨による自然災害が猛威を振るった年でありました。10月には台風19号が伊豆半島に上陸し、静岡県では初めてとなる大雨特別警報が発令され、東部地区を中心に建物の損壊や浸水など、甚大な被害が発生しました。本市広域消防組織は発足後4年が経過し、2市2町の職員が全て静岡市の職員となり、1,000人規模の組織となりました。  そこで、2点。  1点目に、大規模化及び複雑多様化する災害に備えるため、広域消防として、今後どのように取り組むのか。 73 ◯議長(遠藤裕孝君) あと1分です。 74 ◯38番(白鳥 実君)(続) 2点目に、広域消防が担う職員の資質及び技術の向上の状況はどうか、伺います。  質問は以上で全てです。  最後になりますが、創生静岡からも本年をもって退職される職員の皆様の市政への御労苦に重ねて感謝申し上げます。皆様と交わした議論は、議員にとっては大きな財産であります。退職後は体調に十分留意され、第2の人生、公僕から自らの人生へ御活躍を願い、お礼の言葉といたします。  以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。 75 ◯都市局長(宮原晃樹君) 市営住宅の整備に関する2つの質問にお答えいたします。  まず、市営住宅の再整備に関する基本的な考え方についてですが、これまで市営住宅では主に外壁及び屋上の防水、給排水管の取替えなどの長寿命化改修やエレベーター設置などを実施してまいりましたが、これらの改修工事だけでは現在のライフスタイルやニーズに合わせることは難しく、入居率低下の一因ともなっております。  今後は、子育て世帯などに選ばれ、多世代によるコミュニティ形成が期待できる市営住宅とするために、住戸内全体を間取りを含めてリフォームする住戸改善をさらに進め、民間活力の導入を検討しながら計画的な建替えも実施してまいります。  次に、安倍口団地の再整備に向けた今後の取組についてですが、安倍口団地を含む周辺エリアは、静岡市都市計画マスタープランと静岡市住生活基本計画において、暮らしの拠点として位置づけており、再整備に合わせて地域の核となる機能を加え、地域全体に貢献する新たな公共エリアとしての整備を行う必要があると考えています。令和2年度から、まちづくり勉強会を開催し、事業への関心層の拡大を図り、様々な世代にとって安心・安全、心豊かに暮らせる場所となるよう、地域の皆様とともに安倍口団地の再整備プランをつくっていきたいと考えております。 76 ◯教育統括監(望月敬剛君) 学校と地域との共同体制づくりの推進についての3つの御質問にお答えいたします。  最初に、静岡型小中一貫教育の成果と課題及びその活用についてです。  教育委員会では、4つのグループを指定して、2年間の実践研究を進めてまいりました。研究の中で、例えば中島中グループでは、地域防災における自助と共助の自覚を育むため、9年間を通した防災学習カリキュラムを作成し、その中で中学生が小学生に避難グッズの作り方を教える活動や中学生が自治会と一緒になって地域防災訓練の内容を考え、実施する活動を行いました。このような活動により、地域への愛着が深まる姿が子供たちに見られたことが成果と考えます。  その一方で、課題については、地域の皆さんが積極的に参加したいと思えるような教育活動にしていくことや目指す子供の姿を地域や保護者の皆さんとともに考え、実態に即した分かりやすいものにしていくことと考えています。このため、今後、教育委員会では学校が地域と協働して進めていくよう、研修会や学校訪問で周知してまいります。  続いて、静岡市型35人学級についてですが、現時点では小学校15校で18学級、中学校5校で6学級、計20校24学級が下限撤廃の対象となる予定です。また、対象校には学校の実情や要望に応じて臨時講師を配置してまいります。この制度は新たに導入しますので、人員配置のほか、教室の確保などについても円滑に行い、学校現場が混乱することのないよう準備を進めるとともに、少人数のきめ細かい指導による学力向上や子供の特性に気を配った学級運営を行ってまいります。  最後に、教員のパソコンに関する技能向上に向けた研修についてです。  1人1台の端末が子供に配備されることに備えて、教育センターでは全ての教員がどの授業でもICTを日常的に活用できるようにするとともに、それぞれの学校にパソコンを使って効果的な授業をするために相談に乗れるリーダーがいるよう研修を進めていきたいと考えています。具体的には、経年研修や研修主任会などの全ての職階別研修でICT活用研修を実施したり優良事例を紹介したりする取組により、気軽にパソコンを授業で使う学校文化をつくっていきます。また、パソコンに関する技能向上をさらに目指す教員には、情報活用能力の育成研修、プログラミング教育研修会などを行い、学校の中核的なリーダーの育成を図ってまいります。 77 ◯教育局長(遠藤正方君) 学校応援団推進事業における取組状況の共有と新年度の進め方についてお答えします。  まず、取組状況の共有化については、学校応援団のコーディネーターを対象とした研修会を年4回実施しており、各学校で実施したゲストティーチャーによる職業講話などの活動内容を報告し、コーディネーター内で共有しています。また、小中学校、そして、地域が連携して取り組む防災学習や稲作学習など、小中一貫教育での取組についても共有化を図っています。こうした取組事例については、リーフレットなどにまとめ、全小中学校に配布するとともに、各自治会にも回覧するなどして、地域へも周知を図っています。  次に、新年度の進め方については、これまで学校ごとに編制してきた学校応援団の体制を小中一貫教育に合わせた中学校区単位への体制へと再編し、小学校と中学校が連携した取組を進めるとともに、学校と地域との連携・協働の体制をより一層強化していきたいと考えております。 78 ◯教育統括監(望月敬剛君) SNSなどの犯罪の被害防止に向けた学校における取組についてです。  学校においては、小学校1年生から始まる情報モラル教育の中で、SNSなどに関する指導を行っています。情報モラル教育については、地域と家庭、学校が連携して進めていくものだと考えており、特に学校では家庭での指導が難しい、最近の事例を踏まえた犯罪に巻き込まれない方法やインターネット上の情報をうのみにせず、自分自身で判断することを指導しています。例えば、帰りの会や夏休み前など、特別活動の中で最近のSNS犯罪の情報を基に考える機会を持ったり、中学校技術の情報に関する授業の中でSNSによる情報の信憑性や公開、流出の危険性について指導したりしています。また、家庭に対しては保護者会などの折にSNSなどの犯罪から我が子を守るために家庭で行うべきことについて、外部講師を招いた講演会を開催するなどして情報提供を行い、保護者のSNSに対する意識向上を図っています。 79 ◯子ども未来局長(安本一憲君) SNS等の犯罪の被害防止に向けた、家庭や地域に対する取組についてですが、まずは、SNSの利用上の注意点等を青少年や保護者に正しく理解してもらうことが重要であるため、本市では地域の青少年健全育成団体等と連携して、地域ぐるみでの啓発や情報発信に取り組んでいます。具体的には、家庭でのルールづくりやSNS被害についての注意喚起を掲載したリーフレットを作成し、街頭キャンペーンや小中学校を通じて配布しているほか、インターネットを安全・安心に利用するための研修を各地域で開催していただくよう、地域の団体やPTA等に対して研修講師の派遣への助成等を行っています。さらに、携帯電話販売店に対して利用者の年齢確認や有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリング機能についての保護者への説明を徹底するよう要請するなど、青少年をSNS被害から守る環境づくりに地域が一体となって取り組んでいます。 80 ◯消防局長(村田吉伸君) 広域消防の充実について、2つの御質問にお答えいたします。  まず、大規模化及び複雑化する災害への今後の取組についてですが、広域消防により強化した消防力をさらに高めるため、主に次の3点について取り組んでまいります。  1点目は、火災予防体制の強化です。これは、大規模施設などにおいて災害を未然に防ぎ、利用者の安心・安全を確保するため、立入検査、防火パトロール、訓練指導などを通じて火災予防体制を強化してまいります。  2点目は、災害対応力の強化です。これは、災害による被害を拡大させないため、本市の消防ヘリコプターや特殊車両を駆使して、あらゆる災害に対応できるよう関係機関と連携し、災害対応力を強化してまいります。  3点目は、救急体制の強化です。これは、多数の傷病者が同時に発生する災害において、医療機関やDMATなどと連携し、現場における迅速な応急処置や病院搬送につなげる体制を強化してまいります。  次に、広域消防を担う職員の資質及び技術の向上についてですが、広域化後、職員数1,000人を超える県内最大規模の消防となったことから、消防局人材育成ビジョンを改訂し、研修制度を強化しております。内部研修の一例としては、火災調査体制の強化として、本市独自の火災調査アドバイザー制度を創設し、調査員の育成に努めております。その結果として、消防庁長官から表彰を受けたエアコンや自動車のリコールにつながった事例など、具体的な成果が表れております。外部研修の一例としては、女性職員に国の教育機関である消防大学校などで高度な教育を受講させました。その結果として、女性の職域拡大が進み、新たに指揮隊への登用など、女性活躍の推進が図られました。また、関係機関との研修の一例としては、全国の消防、警察、海上保安庁の国際救助隊員を一堂に集めた合同訓練を牧之原消防署内で実施しました。その結果として、世界水準の救助技術の習得が図られました。  今後も、職員の資質及び技術の向上に努め、大規模化、複雑化する災害に的確に対応し、88万管轄人口の安心・安全を図ってまいります。    ─────────────────── 81 ◯議長(遠藤裕孝君) 本日は、これにて延会いたします。         午後3時59分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...